ギリシア神話の基本を知る
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
ヘシオドスの『労働と日々』で描かれた「5つの時代」とは
第2話へ進む
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
鎌田東二(京都大学名誉教授)
ギリシア神話で名が知られている神はいくつかあるが、最も知られているのが全知全能の神ゼウスだろう。実はギリシア神話には、ゼウスに至るまでにも神々の闘争の物語がある。ここではギリシア神話をゼウス以前と以後に分け、ゼウス以前のギリシア神話のあらましを解説する。(全5話中1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分25秒
収録日:2022年3月29日
追加日:2022年8月18日
≪全文≫

●「ゼウス以前」と「ゼウス以後」


―― 皆さま、こんにちは。本日は鎌田東二先生に、ギリシア神話のあらましについてお話を伺いたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

鎌田 よろしくお願いします。

―― まずギリシア神話の総括的なあらすじですが、おおよそどのような構造になっているのでしょうか。

鎌田 戦争は世界各地で起こっていますが、ギリシアの神々の物語も戦争の物語、戦いの物語です。

―― 神話は、「戦い」とは切っても切れないということですね。

鎌田 神々には戦いによって世界を創造するといいますか、世界を展開させるという側面があります。神々の政権交代(神権交代)が次から次へと展開されながら世界が回っていく、つまり次の段階へ突き進んでいる、といった具合に語られているのです。

 ところで一般的にギリシア神話というと、どの神様が有名でしょうか。

―― 一般的に最初に名前が出てくるのはゼウスですよね。

鎌田 ゼウスは多くの人が知っていますね。ゼウスの子どもであるアポロン、現在のギリシアの首都アテネの名前にもなっている兄弟の神々(アテナ)もよく知られています。問題は、ゼウスになるまでの神々の闘争の世界があることです。

―― そこはあまり知られていませんね。

鎌田 そこは結構複雑なのですが、少なくともゼウスは神々の中で第三世代になるので、それ以前の第一世代、第二世代といった神々の支配の段階があるわけですね。そして、ゼウスの時代になって、いわゆる神権を確立してオリュンポス十二神の座を保った。こういう大きなあらすじになっていくのです。

 ギリシア神話を「ゼウス以前」「ゼウス以後」の大きく2つに分けるとすると、「ゼウス以前」に神々の中で神権を担ったのは、ウラノスという神とクロノスという神です。

―― ウラノスが第一世代に当たるのですか。

鎌田 そうなります。そのウラノスができるのもまた、それほど簡単ではありません。ウラノスという神の性格(キャラクター)は天空神で、不死なる神々の基盤を確固たるものにしたという役割と意味が与えられています。そのウラノスを生むのはガイアという女神です。だから、ウラノスの前には母ガイアがいたということになります。

―― よく地球をガイアといったりしますが、ガイアとは大地といった意味...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(2)どうすれば好循環が生まれるか
「お客様のため」に心が向かうとイノベーションも起きる
田村潤
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉