古事記・日本書紀と世界神話の類似
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「浦島伝説」と「オシーン伝説」の類似、その背景に迫る
古事記・日本書紀と世界神話の類似(7)日本神話とアイルランド神話の類似
鎌田東二(京都大学名誉教授)
日本とアイルランドはユーラシアの両端に位置するが、両国には類似する神話が存在するという。その神話とは日本の「浦島伝説」とアイルランドの「オシーン伝説」である。なぜこれほど遠く離れた両国にそうした類似する神話が生まれたのか。その背景について解説する。(全10話中7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分27秒
収録日:2021年9月29日
追加日:2022年5月1日
≪全文≫

●ユーラシアの両端にたまった神話の類似性


鎌田 そこで今回のシリーズのテーマである類似の神話学ですが、もう1つ類似の神話があります。「出アフリカ」した人類が、今度は「出ヨーロッパ」して、そしてイギリスやアイルランド、あるいは日本列島に入っていきました。ユーラシアの西の果てがアイルランド、東の果てがと日本だとすると、アイルランドと日本には類似の神話があります。

―― たどった過程でいうと、一番遠い2つの国ということになりますね。

鎌田 そうですね。地理的には対極的・対照的な場所(ポイント)ですね。もっとも遠いような場所にあるところに、なぜこれほど似ている話があるのか。その話とは「浦島(太郎)伝説」と「オシーン伝説」です。

 浦島伝説について、実はこのような本を出しました。淡交社という出版社から発刊された『京都 上賀茂神社と水のご縁 葵(あふひ)』です。京都の上賀茂神社、下鴨神社では葵祭が行われますが、御阿礼(みあれ)祭という神様が誕生する重要な祭となります。その中で特にその上賀茂神社のことを中心にした本なのですが、ここに私は日本の二葉葵とアイルランドのシャムロックという2つの儀礼について書きました。日本では葵を使った祭、アイルランドではシャムロックという三つ葉のクローバーを使う祭があります。そのような聖パトリックデー(祭)の根幹には、共通の神話的物語要素があるのではないかと私は常々考えています。

 アイルランドと日本ですが、私の顔がユーラシア大陸だとすると、2つの耳が日本とアイルランドに当たります。

―― まさに端と端、周縁の部分ですね。

鎌田 この2つの耳が地球全体の大きな声を聞き届けている。「出アフリカ」し、「出ユーラシア」したものの最後の帰着点は、西の果てと東の果てしかない。地球上のあらゆるものが、西の果てと東の果てにとどまる。だから神話的要素も、東西の果てにとどまる。というわけです。そこから先は行き止まりなので、この行き止まりの場所に、実は地球上で生成されてきた神話的な物語の古い部分がかなり残されている可能性があるのです。

―― そこにたまっているということですね。

鎌田 どちらも、そこから先は出口がありません。日本の場合は「東の先は常世の国である」「ニライカナイである」、アイルランドの場合は「ティル・ナ・ノーグという常若の国がある」などと言...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「教養」と「リベラルアーツ」の違いとテンミニッツ・アカデミー
教養とリベラルアーツの違い…一般教養からWhy、Howへ
曽根泰教
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
福田恆存とオルテガ、ロレンス~現代と幸福(1)曖昧になった日本人の「自然」
小林秀雄から福田和也まで、日本の文芸批評史を俯瞰する
浜崎洋介
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸

人気の講義ランキングTOP10
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(4)欲望と欲求と欲動
ほしいものが、ほしいわ。…欲望の無限運動が資本主義の基盤
斎藤環
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(19)橋爪大三郎先生のリベラルアーツ論
【10min解説】橋爪大三郎先生:AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
三つの建国――その歴史的背景から迫るアメリカの原点
中西輝政