古事記・日本書紀と世界神話の類似
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ホモ・サピエンス「出アフリカ」による神話伝播説の可能性
古事記・日本書紀と世界神話の類似(4)不思議な道具と神話伝播説
鎌田東二(京都大学名誉教授)
英雄神話には「不思議な道具」が登場する。それは世界を変容させるきっかけとなるものだが、それも世界の神話における類似点の1つである。さらに、その類似点がなぜ出てくるのかについて、その可能性の1つとして「神話伝播説」を紹介する。(全10話中4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分33秒
収録日:2021年9月29日
追加日:2022年4月10日
≪全文≫

●新しい世界を切り開く「不思議な道具」


鎌田 ペルセウスはそのようにして母親から生まれるのですが、また不思議な預言があります。ペルセウスは怪物を倒して、そのあとアンドロメダという女性と結婚することになります。怪物を退治して美しい姫(女性)を娶る(めとる)といった話が「アンドロメダ神話」だといわれるようになって、英雄神話の中の1つの物語類型になっていきます。

 そのときに「どこでもドア」のような不思議な道具を授かります。このあたりがまた神話の面白いところです。ドラえもんは未来からやってきたロボットですが、神話的な物語の類型を持っているということですね。

―― なるほど。たしかに非常に強力な道具を与えてくれますね。

鎌田 つまり世界を変容させる道具を持っているのです。神話は、人間が変容することによって世界が変容する、世界が変容することによって新しい幕が開く、新しいドラマチックな世界の展開が生み出される、といったことを次々と物語的に繰り出していくわけです。その仕掛けとして、不思議な出来事が起こるための「開けゴマ」のような神宝(宝物)があるのです。

―― 世界を変える力、それを開ける鍵といいましょうか。

鎌田 はい、一種の秘密のパスワードのようなものがあるのです。それに当たるものが、ペルセウス神話では3つあります。ペルセウスが持っている3つの道具は、アテネからもらった青銅の盾、ヘルメスから得た金剛の鎌、それからハーデス(冥府の神)からもらった隠れ兜です。隠れ兜は透明人間になってしまいます。透明人間になれるヘッドセットのようなもので、それをかぶると目に見えなくなります。青銅の盾は、この盾を通してあらゆるものを防ぐことができます。

 そういった不思議な道具を手にすることによって、ゴルゴンという強力で不死身といわれる3姉妹の末のメドゥーサという娘を退治します。メドゥーサはもともと美少女だったのですが、神ヘラの怒り・嫉妬を買って、髪が毒ヘビのようになります。メドゥーサの金色の目を見た者は石になってしまう、そういったイーグルアイ(魔眼)と不思議な恐ろしい髪の毛を持っているのです。だから誰も近付けなくなってしまいます。その末の娘メドゥーサを退治するのです。

 (ということで、)3つの道具を駆使しつつ、そのような強力な怪物を退治することを通して、次の世界を切り開いていく...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
現代の小児科学と最高の子育て(1)現代の小児科学の役割
困難の克服と幸せな人生の獲得、それが小児科学の目的
高橋孝雄
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
数学と音楽の不思議な関係(2)リズムと数の不思議と変拍子
童歌「あんたがたどこさ」は何拍子?変拍子の不思議な魅力
中島さち子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨