世界神話の中の古事記・日本書紀
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
スサノオなしに日本の祭も歌もなかった
世界神話の中の古事記・日本書紀(5)『古事記』の中のスサノオ像
鎌田東二(京都大学名誉教授)
スサノオはスクラップ・アンド・ビルド、つまり世界を展開させていく破壊的な役割を果たすと同時に、世界をつくり上げていく役割も果たす、一番のキーとなる神様だと鎌田東二氏は言う。また、「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」という有名な歌があるが、これはスサノオがきっかけとなって生まれ、それが日本の和歌の始まりだという記録もある。今回は、『古事記』の中でスサノオがどのような神として描かれているのか。その様子を丁寧に解説していく。(全9話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分53秒
収録日:2020年10月5日
追加日:2021年5月1日
≪全文≫

●スサノオの乱暴狼藉で世界危機に


鎌田 スサノオ(スサノオノミコト)の持っていたものは十握剣(とつかのつるぎ)です。それをアマテラスオオミカミに渡して、アマテラスはそれをカリカリと口中で噛んで、そして飛沫(息)とともにサーッと吐く。すると、タキリヒメ、タゴリヒメ(タキツヒメ)、イチキシマヒメといった宗像三神といわれる女神が出る。自分の持ち物(物実)から三柱のうるわしい乙女の神が生まれてきたので、スサノオは「自分の心は優しく、国を奪おうという邪な気持ちはない。それが証明された」と言い、勝ったとします。

 スサノオは、自分の心が清らかで、邪でないことが証明されたと言って大喜びし、勝ちどきを上げて、いろいろな乱暴狼藉を働きます。乱暴狼藉をしたために、アマテラスオオミカミは岩戸にさしこもってしまった。このようなスサノオ像が描かれています。

 スサノオが最後に行った乱暴狼藉が、「天の斑駒(あめのふちこま)」という馬の皮を逆剥ぎにし、血だらけにして、その馬を、アマテラスオオミカミを含め神々に献上するための神聖な神御衣(かんみそ)――いわゆる衣を織るための神聖な機織り場――に投げ入れた。すると皆が驚いて、アメノハタオリメ(若い機織り女)が針でホト(女性器)を突いて、亡くなってしまった。それを怒り悲しんで、アマテラスオオミカミが岩戸に隠れてしまったために、世界が真っ暗になって生存の危機になってしまった。

 地球の危機ですね。光がなくなる、太陽がなくなるのですから。地球上の全ての熱が失われた状態になり、パニックが起こって、さまざまな悪神の災いが起こります。感染症であったり、いろいろなことが実際に起こるということです。冷害で食べるものももちろんなくなるでしょうし、あらゆるものが死滅してしまうという最大の危機に陥った。

 そのときに、神々が天安川(あめのやすかわ)に集まり相談して、ここで祭を行おうとなりました。祭によってアマテラスオオミカミにもう1度復活してもらおう、と。

 そのための祭の手立てとして、忌部氏が神籬(ひもろぎ)を立てて、玉、鏡、四手(しで)などを飾り付け、そして中臣氏、藤原氏の祖先であるアメノコヤネノミコトが厳かに「掛けまくも畏き 伊邪那岐大神(かけまくもかしこき いざなぎのおおかみ)」「掛けまくも畏き 天照大御神(かけまくもかしこき あまてらすおおみかみ)...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(3)リベラルアーツの伝統と教育
身につけるべきリベラルアーツとは?…欧米の伝統と変遷から探る
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
中島隆博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎