世界神話の中の古事記・日本書紀
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
『古事記』と『日本書紀』の大きな違い…その神話と構造
世界神話の中の古事記・日本書紀(2)『古事記』と『日本書紀』の違い
鎌田東二(京都大学名誉教授)
人間と神との距離感が非常に近い日本神話。その日本神話の代表的なものが『古事記』『日本書紀』であるが、この2作は全く性質が異なるものだと鎌田東二氏は言う。『古事記』と『日本書紀』は、どのような点がどのように異なるのだろうか。(全9話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分21秒
収録日:2020年10月5日
追加日:2021年4月7日
≪全文≫

●ハリウッド映画のように描かれる『古事記』


―― 世界神話の中の日本神話の特徴について、「人間の位置づけ」にクローズアップしてみると、神と人間に極めて近しい関係が構築されていたということでした。もう1点、お聞きしたいことは、日本神話の文献といえば、やはり代表的なものは『古事記』『日本書紀』の2つです。これらは、かなり性質が異なるのでしょうか。

鎌田 全然違うといっていいでしょう。まず『古事記』と『日本書紀』の違いをお話しして、それから『古語拾遺』や『先代旧事本紀』の違いにも少し触れたいと思います。

 『古事記』と『日本書紀』の大きな違いは何か。まず成立年代ですが、『古事記』は西暦712年とされている。それに対して『日本書紀』は、それから8年後、西暦720年に編さんされています。『古事記』には序文がありますが、『日本書紀』にはそういった序文はありません。『古事記』の序文がまた特異で、稗田阿礼が口承したものを、太安万侶が書き留めていったということが記されています。

―― 口承ということは、ずっと口伝えできたということですね。

鎌田 もともと口伝えで行っていたものを、1度それを覚えて、経典を読誦するような形で物語化していく。それを記述したという形です。

 私から見ると、『古事記』はオペラのようです。『古事記』全体の中には112人の歌が収められており、『日本書紀』にもいくつかの歌が収められていますが、地の文と歌の量を比較すると、圧倒的に『古事記』のほうが歌の比率が高い。歌は、短歌の場合もあれば、長歌――「古事記歌謡」といわれているものですが――の場合もいろいろあります。
 特に神代の巻の上では荘厳な形で神々の出現を描きます。その後も、スサノオの話や、オオクニヌシの話などの出雲の神話といった、神々の面白いストーリーが、ハリウッド映画でも観るかようなスペクタクルで描かれるのです。これが大変楽しい。

―― 鎌田先生は『超訳 古事記』という本を出されています。これはそういったイメージで訳されたのですか。少しポエティック、詩的な感じで書かれていますね。

鎌田 『超訳 古事記』を書いた精神はこうです。私の捉え方では、『古事記』は詩(ポエジー)なので、神聖なる詩劇といいますか、神聖オペラなのです。歌物語なのだから、歌劇のように、詩劇のように、詩的な格調をもって語られなければいけない世界...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
田口佳史
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…秀吉に怒られなかったのは秀長と家康だけ
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
日本の特性とは何か~「日本的」の本質(5)鋭い感性と深い精神性
本居宣長が説く「神信仰」…神道の本当の姿に迫る
田口佳史
平和の追求~哲学者たちの構想(2)世界市民と国家連合
「コスモポリタニズム」の理想と「国家連合」というプラン
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治