インド神話の基本を知る
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
インド人が最も愛読『マハーバーラタ』で説いた戦士の心得
第2話へ進む
インド神話…『リグ・ヴェーダ』『マハーバーラタ』の壮絶な物語
インド神話の基本を知る(1)インドの特性と神話の成り立ち
鎌田東二(京都大学名誉教授)
インド神話とはどのようなものだろうか。内容を知る前に、まずはインドという地理的場所、歴史の特殊性を押さえておこう。また、最も古い記録である『リグ・ヴェーダ』から派生した叙事詩『マハーバーラタ』内にある「バガヴァッド・ギーター」は、インド独立の父・ガンジーの座右の書となったという点も解説する。(全4話中1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:6分27秒
収録日:2022年6月7日
追加日:2023年9月17日
≪全文≫

●インド神話を学ぶ前にまず知っておくべきこと


―― 皆さま、こんにちは。

鎌田 こんにちは。

―― 本日は鎌田東二先生に、インド神話についてのお話をいただきます。鎌田先生、どうぞよろしくお願いいたします。

鎌田 よろしくお願いします。

―― インド神話というと、最初にわれわれが知っておくべきはどのようなことでしょうか。

鎌田 まず(インドは)広大であるということと、人口がすごく多いということです。そして「インド亜大陸」と呼ばれる、東と西をつなぐような特殊な場所にあって、ギリシア・ローマの世界ともつながり、そして中国ともつながっていく。日本は仏教でものすごく影響を受けています。そのようなものとしてインドが持っている、インド・ヨーロッパ語族といわれるものも含めて、インドの歴史、空間、地理は、世界に非常に大きな影響を与えています。

―― 例えばアレクサンダー大王が攻めてくるなど、今おっしゃったような…。

鎌田 東西の(交流の)十字路のようなところですね。

 そして、宗教もバラモン教、それが統合されて民間信仰とつながって、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、イスラーム、そして近代になるとキリスト教が入ってきますから、非常に混淆したものを持っている。言語も、日本のように日本語、アイヌ語など少数のもので成り立っている国とは違って、たくさんの言語を持っているわけです。

 そして、種族、民族、部族もそれぞれの多様性を持っていて、長大な歴史(文明的には5000年、あるいはもっと遡ると1万年という歴史)を持っている。それが一定程度、きちんと記録に残っていることも非常に重要です。その記録の最も古いものが『リグ・ヴェーダ』という、今から3000年ほど前のものだとされています。『リグ・ヴェーダ』とは、神々の讃歌集です。

―― 「神々を讃える歌」ということですね。

鎌田 そうです。『ヴェーダ』には『リグ・ヴェーダ』『サーマ・ヴェーダ』『ヤジュル・ヴェーダ』『アタルヴァ・ヴェーダ』の4つあり、最後の『アタルヴァ・ヴェーダ』は呪文のようなものです。その神々の讃歌の中で、最初の『リグ・ヴェーダ』という讃歌集の中に、神話的な部分が断片的に述べられている。

 それをベースにして、やがて『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』など、いろいろな物語ができてい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
人生に活かす東洋思想(1)人生の成功とは何か
東洋思想の「徳」や「道」をわかりやすくいうと?
田口佳史
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
現代の小児科学と最高の子育て(1)現代の小児科学の役割
困難の克服と幸せな人生の獲得、それが小児科学の目的
高橋孝雄

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に記された「媚態表現」の真相と人心掌握術
上野誠
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留