習近平―その政治の「核心」とは何か?
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最も大事な核心的利益は「共産党の存続」…米中対立の焦点
習近平―その政治の「核心」とは何か?(6)米中問題と中国共産党の今後
小原雅博(東京大学名誉教授)
一党支配体制の中国において、「党の安全」は最重要事項である。そのため、「一帯一路」を貫く、中国の対外政策にも非難の声が集まっている。米中覇権争いが激化する中、中国共産党は2021年7月に創立100周年を迎えた。権力の集中化が強まる習近平政権のもとで、中国はどこに向かうのか。習近平政権についての深掘り編講義・第5話。(全6話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分27秒
収録日:2021年7月7日
追加日:2021年11月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●米中間の差異をどう埋めるか


―― ふと思い出したのが、ナチス・ドイツが台頭した当時、周りのフランスやイギリスが当初はナチスに対して宥和政策として、少し平和的な交渉でやっていく道を取るのか、あるいは断固対抗するかのどちらで行くかで、最初は宥和政策をやっていきます。

 ヒトラーの『わが闘争』にはいろいろなことが書いてありますが、さすがに権力を取ったらそこまでやらないだろうということで、ある程度平和的にやっていました。しかし、ナチスは書いた通りのことをどんどんやり始めて、最終的には衝突してぶつかっていきます。根本的な価値観の違いが、結局は最後の矛盾までいってしまったということだと思います。

 中国とアメリカの間に根本的な矛盾があるとして、これが今後どう解決していくのかについて、先生はどのようにお見立てですか。

小原 これを外交で解決するのはなかなか至難の業だと思います。核心利益の話をしましたが、この核心利益には、国家の主権、安全、発展の利益という決まり文句があり、常に出てきます。これはもう絶対に譲らない、戦争をしてでも守るという核心的な利益なのです。

 この中で、「安全」という言葉があります。国家の安全保障という意味もありますが、この安全が何を意味しているかというと、一番大事なのは、政権の安全です。つまり、中国共産党にとって最も大事な核心的な利益は、自らの党の存続と生存なのです。中国共産党の指導する中国を絶対に守っていく、中国共産党が全て指導、領導するのだというのは、習近平としては絶対譲れない部分です。


●「共産党の手」による中国の社会主義市場経済


小原 これは経済にも全部影響してきます。外資系企業などがここ数年非常に危惧していたのは、いわゆる社会主義市場経済です。市場経済の上に社会主義が付いて、国家資本主義などとも言われます。この社会主義は共産党の指導ということです。市場経済はある意味でアダム・スミスが言う「神の手」によって、収まるところ、望ましいところに価格がきちんと市場を決めていきます。

 中国の場合には「神の手」ではなくて、「共産党の手」です。要するに、共産党が市場の中に入り込んできます。アリババのジャック・マー氏がそうですが、自由に何かできるわけではありません。やはり市場主義の頭にシャッポと...

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