習近平―その政治の「核心」とは何か?
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
最も大事な核心的利益は「共産党の存続」…米中対立の焦点
習近平―その政治の「核心」とは何か?(6)米中問題と中国共産党の今後
小原雅博(東京大学名誉教授)
一党支配体制の中国において、「党の安全」は最重要事項である。そのため、「一帯一路」を貫く、中国の対外政策にも非難の声が集まっている。米中覇権争いが激化する中、中国共産党は2021年7月に創立100周年を迎えた。権力の集中化が強まる習近平政権のもとで、中国はどこに向かうのか。習近平政権についての深掘り編講義・第5話。(全6話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分27秒
収録日:2021年7月7日
追加日:2021年11月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●米中間の差異をどう埋めるか


―― ふと思い出したのが、ナチス・ドイツが台頭した当時、周りのフランスやイギリスが当初はナチスに対して宥和政策として、少し平和的な交渉でやっていく道を取るのか、あるいは断固対抗するかのどちらで行くかで、最初は宥和政策をやっていきます。

 ヒトラーの『わが闘争』にはいろいろなことが書いてありますが、さすがに権力を取ったらそこまでやらないだろうということで、ある程度平和的にやっていました。しかし、ナチスは書いた通りのことをどんどんやり始めて、最終的には衝突してぶつかっていきます。根本的な価値観の違いが、結局は最後の矛盾までいってしまったということだと思います。

 中国とアメリカの間に根本的な矛盾があるとして、これが今後どう解決していくのかについて、先生はどのようにお見立てですか。

小原 これを外交で解決するのはなかなか至難の業だと思います。核心利益の話をしましたが、この核心利益には、国家の主権、安全、発展の利益という決まり文句があり、常に出てきます。これはもう絶対に譲らない、戦争をしてでも守るという核心的な利益なのです。

 この中で、「安全」という言葉があります。国家の安全保障という意味もありますが、この安全が何を意味しているかというと、一番大事なのは、政権の安全です。つまり、中国共産党にとって最も大事な核心的な利益は、自らの党の存続と生存なのです。中国共産党の指導する中国を絶対に守っていく、中国共産党が全て指導、領導するのだというのは、習近平としては絶対譲れない部分です。


●「共産党の手」による中国の社会主義市場経済


小原 これは経済にも全部影響してきます。外資系企業などがここ数年非常に危惧していたのは、いわゆる社会主義市場経済です。市場経済の上に社会主義が付いて、国家資本主義などとも言われます。この社会主義は共産党の指導ということです。市場経済はある意味でアダム・スミスが言う「神の手」によって、収まるところ、望ましいところに価格がきちんと市場を決めていきます。

 中国の場合には「神の手」ではなくて、「共産党の手」です。要するに、共産党が市場の中に入り込んできます。アリババのジャック・マー氏がそうですが、自由に何かできるわけではありません。やはり市場主義の頭にシャッポと...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(4)甘えない子が心の病気になる
二宮尊徳はヤングケアラー!?なぜ甘えない子が心を病むのか
與那覇潤
新撰組と幕末日本の「真実」(8)戊辰戦争~明治期の新撰組の魂
受け継がれる魂…戊辰戦争での奮戦と自由民権運動の情熱
堀口茉純
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(3)祖先崇拝の5つの特徴
夢魔の重圧?…なぜ「バチあたりの人間」が村八分になるのか
賴住光子
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
ドンロー・ドクトリンの台頭(1)トランプ系論と2025年度版NSS
ドンロー・ドクトリンとは?トランプ系論と西半球の重要性
東秀敏
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之