習近平―その政治の「核心」とは何か?
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
中国共産党…中央集権の弱点と底知れぬ巨大な腐敗
習近平―その政治の「核心」とは何か?(3)権力の集中と反腐敗闘争
小原雅博(東京大学名誉教授)
武漢で新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた際、中国政府による初動の遅れが問題となった。一党支配体制におけるトップダウンの行政指令型には、トップが判断を誤った場合のリスクが大きいことが指摘されている。それでもなお、習近平への権力の集中化は止まらない。その背景には何があるのか。(全6話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分00秒
収録日:2021年7月7日
追加日:2021年10月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●トップダウンの指揮系統がはらむリスク


―― そうなってくると、当然地方に行っている若手の人たちからすれば、どうやって上に上っていくかというときに、中央を意識するのは当然のことです。中央がどういう方針を出しているかをかなり熱心に見ていると思います。

 しかし、今先生のお話の中であったように、そればかりに走ってしまうと、例えば環境問題が悪化してしまいます。何かひどいことが起きると、地元からの反発も高まってきます。また逆に、中央の方針が間違ってしまうと、結構大変なことになりかねないですよね。

小原 2020年、武漢で新型コロナが爆発的に広がったときに、武漢の幹部が「中央と地方との間に大きな壁がある」ということを言って、コミュニケーション上の問題が明らかになりました。要するに、自分たちが報告をしなかったとはいっても、中央でどういう方針を採るかが決められて、トップダウンで来るので、地方がなかなかものを言えない状況になっています。そのへんの中央と地方のコミュニケーションをどのようにやっていくかが問題です。

 例えばスライドに「核心」とありますが、習近平の核心的な地位を断固として擁護しようということがあります。それから、これは日本語で読むのは大変ですが、「国之大者」という言葉を習近平は最近よく使います。これは一体何なのかというと、国で最も力があるまさに習近平のことです。彼の言動をきちんと見て、それに高度に一致するように行動しなければいけないことになります。

 そうなってくると、それで本当に一枚岩になって、トップの判断が正しければうまく動いていきますが、判断を間違えたときに、それをどう修正していくかが極めて難しいです。異論は排するのは、民主主義の体制と違うところだと思います。

 だから、やはりこういった権威主義の国は、権威主義のトップに立つ人に相当な能力が求められます。聡明かつ、まさに全体を見ることが必要です。ここに書いてあるように、大きな流れはどこにあって、全体の局面としてどこが大事で、どこを最適に守らないといけないのかを常にきちんと判断ができなければいけません。それによって、9500万人の党員が一糸乱れずに一気に動けば、大変な行動力・組織力になっていきます。

 初動では失敗したコロナ対応が、その後非常にうまくワークし...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠