米中関係の行方と日本の今後を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
銃社会のアメリカと監視社会の中国、問われる国家の安全
米中関係の行方と日本の今後を読む(3)主権か治安か、監視か銃か
小原雅博(東京大学名誉教授)
コロナによる複合危機の中、問われているのは社会や国家の安全をどう考え評価するかということだ。それは為政者のみならず市民一人一人が考えるべき問題である。銃を持つことは権利でもあればリスクでもあり、監視され管理されることは安全につながる。それは大統領選挙にもつながる二者択一だ。(全12話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分51秒
収録日:2020年9月8日
追加日:2020年10月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●コロナ危機から浮かぶ米中の対比と、主権国家の歴史


小原 今回のコロナ危機、二つの危機がせめぎ合う複合危機の中で問われているのが、社会や国家の安全をどう考え、評価すればいいのかということです。アメリカと中国でこれだけ対応が違い、現状にも違いが表れている。この点を掘り下げると、アメリカの弱点と中国の自信のようなものが浮かび上がってきます。それはまた、中国が現在プロパガンダとして指摘し、焦点化している部分でもあります。

 アメリカの弱点とは何かを考えると、国家にとって最も大事な役割は何なのかということにつながります。人類の歴史を見ていくと、主権国家というものが登場して国際社会や国際政治が誕生するのは、16世紀のヨーロッパからです。

 この頃トマス・ホッブズという哲学者が言い出したのは、「国民や市民というものは、自分を守るために仕方なく暴力を振るう。『自然権』というのは、自分を守るために与えられた“暴力を振るう権利”である」ということです。

「これを放置しておくと、人間同士が殺し合い、最後には人類は滅びてしまう。そのような恐怖におののくような自然状態をなくすためには、それぞれの個人が持つ自然権を君主なり議会なりに委譲して、自然権を独占させる必要がある」

 この結果、マックス・ウェーバーなどが「正当化された暴力の独占」と呼ぶ圧倒的かつ比類なき唯一の権力が「主権」と呼ばれるようになり、そうした主権概念の下で「主権国家」というものが誕生してくるわけです。この主権により、その社会にいる人々の安全は守られる。なぜならば、国家が圧倒的な暴力を独占しているからです。

 そういう点から考えると、人民は国家に逆らうことはできないわけです。ただし、それはもちろん法に従って行わなければならない。つまり「法治」でなければならないということですが、それを乱用する人物も出てきます。権力を握るのも、それに対する「抵抗権」を行使するのもそのためで、そこからフランス革命やアメリカ合衆国独立という人類の歴史が存続してきました。

 いずれにせよ、国家の行うべき最も大事なこと、すなわち国家の存在理由あるいは国家理性(レゾン・デタ)とは、国民の安全を守ることであるという話です。


●銃を持つ権利のあるアメリカで社会の安全をどう考えるか


小原 そ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫