米中関係の行方と日本の今後を読む
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
コロナ・パンデミックはいつ終わるのか、短期シナリオは崩壊
第2話へ進む
コロナが米中関係に与えている影響と大統領選の行方
米中関係の行方と日本の今後を読む(1)『コロナの衝撃』と米中の感染状況
小原雅博(東京大学名誉教授)
世界がコロナパンデミックの脅威にさらされた2020年。コロナが国際政治、特に米中関係に与えている影響が大きいものがあったことはご承知の通りだが、実際にどんな影響があったのか。そして、「複合危機」といわれる健康と経済のジレンマの中、米中関係は今後どうなっていくのか。大統領選の結果次第だが、両国の関係はどういった方向に向かうのか。シリーズを通して米中関係の行方と日本の今後を読む。(全12話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分06秒
収録日:2020年9月8日
追加日:2020年10月1日
≪全文≫

●現在進行形の問題提起を投げた『コロナの衝撃』


―― 皆さん、こんにちは。

小原 皆さん、こんにちは。小原です。よろしくお願いします。

―― 本日は、小原雅博先生に「米中関係の行方と日本」というテーマでお話をいただきたいと思います。小原先生、どうぞよろしくお願いいたします。

 先生は、この5月に『コロナの衝撃』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)というご本を出版され、コロナが国際政治に与える影響について論じられました。ご反響はいかがでしたか?

小原 はい。5月に出版社から話があり、緊急出版という形で出しました。発生源についてはいろいろ議論がありますが、まさに当時、中国武漢から発生した感染症がパンデミックになって世界に広がっていく最中で、それが国際政治、特に米中の大国関係にどういう影響を与えるのかという視点からぜひ書いてほしいということでした。

 私としては他のこともいろいろとありましたし、これは動いている問題ですから、どれだけ賞味期限を延ばせるのかという不安はありましたが、とにかく今起きていることの本質を自分なりに見極めながら書き上げたということがあります。

 ここにもあるように、読売新聞と日経新聞が書評を書いてくれました。武漢で発生したものですから、私の中国ネットワークも使いながら、どういったプロセスで新型コロナウイルスが広がっていったか、それに対して中国当局がどう対応していったかというあたりにできる限り突っ込んだ形で分析していくのが一つの大きなテーマでした。そのあたりについて、書評で取り上げてくれました。

 また今後、このコロナがどういった形で社会や政治経済を変えていくのかといった視点についても触れていただきました。まだまだ今も現在進行形の話であり、結論が出ているわけではないのですが、私はここに書いたような問題意識を持って、今もフォローしているところです。


●東大生が選んだキーセンテンスは「安全と自由の関係」


―― そして、これを大学の小原ゼミの皆さんがお読みになっているということですね。

小原 そうです。

―― キーセンテンスがここに出されていますね。

小原 たまたま春学期のゼミが始まったところで、コロナの問題だけではなく、とにかく幅広くいろい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(4)葛飾応為の芸術と人生
親娘で進歩させた芸術…葛飾応為の絵の特徴と北斎との比較
堀口茉純
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎