米中関係の行方と日本の今後を読む
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「自由で開かれたインド太平洋」構想が対抗軸になり得るか
米中関係の行方と日本の今後を読む(8)中国の独走を抑える
小原雅博(東京大学名誉教授)
中国は一帯一路を進め、欧州にも触手を伸ばすが、実際に海洋の覇権を握るのはアメリカである。それを牽制するため中国は中距離弾道ミサイルを用い、自由諸国は「自由で開かれたインド太平洋」構想を中国への対抗軸として機能させようと躍起だ。このいたちごっこは、中国の独走を抑えるものだろうか。(全12話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分22秒
収録日:2020年9月8日
追加日:2020年10月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●中国を抑えるためのオフショア・コントロール


小原 現在の海の状況も含めて、中国から見たシーレーンの重要性は限りありません。中国経済が大きくなり、世界と一体化し、相互依存が広がるとともに中国自身の国益が世界に広がっていく。そうしたものを守っていくために、海軍力は非常に重要になってきました。

 「一帯一路」は、「陸と海のシルクロード」を自称しています。この資料に出ていますが、多くの港湾を中国が押さえていって、そこを拠点にシーレーンを通じて影響力を伸ばしていく。ヨーロッパにもつながろうと深い関心を持ち、ギリシャのピレウス港やイタリアの港を借り受けるために、現地との関係を強めつつあります。

 習近平国家主席も、先日ギリシャを訪問していました。港をつないでいって、以前言われていた「真珠の首飾り」として各地の港を押さえ、ここから出て行こうとしているのです。

 しかし、海洋の覇権を握っているのは実はアメリカだということ、そのアメリカがそこで何をするかということを考えれば、いざ中国との難しい状況が何か持ち上がって、局地戦のようなものが起きた場合、出てくるのはオフショア・バランシングではなく「オフショア・コントロール」だろうと言われています。

 これは何かというと、こうしたチョークポイントをアメリカが押さえてしまうことです。そうすると、中国はエネルギーや資源を輸入することが難しくなるので、手を引かざるを得ない。そのように、戦わずして中国を押さえ込んでいくのが、オフショア・コントロールという概念です。

―― はい。


●圧倒的な「アメリカインド太平洋軍」と中距離弾道ミサイル


小原 海はこのように非常に大事なわけですが、トランプ大統領は軍の名前にインドを付け足して「アメリカインド太平洋軍」と変更しました。これに対して、中国は空母4隻保有体制を目指したり、「A2/AD(Anti-Access/Area Denial: 接近阻止/領域拒否)」戦略を取ったりしています。

 今戦争をすると、まだ圧倒的にアメリカの軍事力のほうが強くて中国はかなわない。例えば空母部隊が第1列島線の中に入ってくる。南シナ海でも「航行の自由作戦」を含めてやっていますが、この中に入ってくるアメリカ軍を寄せ付けないようにするというところ...

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