米中関係の行方と日本の今後を読む
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中国にとって本質的に怖いのはバイデンの動向
米中関係の行方と日本の今後を読む(11)バイデンの外交政策
小原雅博(東京大学名誉教授)
2020年はアメリカ大統領選挙の年であり、トランプ氏が続投するのか民主党のバイデン氏が政権を奪還するのかに注目が集まっている。トランプ氏が続投すればポピュリズム政治が続き、社会の分断はさらに進むだろう。バイデン氏が宣言しているのは、民主主義の立て直しであり、それは世界に波及していく。(全12話中第11話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分00秒
収録日:2020年9月8日
追加日:2020年11月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●米大統領選挙の結果次第で外交政策はどう変わるか


小原 今年(2020年)はいよいよ米大統領選挙ということで、米中関係がどうなっていくのか、ということに対する注目は熱さを増しています。もちろんトランプ大統領が続投になれば、これまで4年間で彼が行ってきたことを踏襲していくわけですから、改めて議論はしません。問題は、ジョー・バイデン大統領になったとき、何が違ってくるのかということです。

 彼のウェブサイトから抜いてきた外交政策の中には、"Renewing democracy at home"と言及されています。これは非常に大事なことです。

 本シリーズでは、新型コロナ感染症対策によって民主主義が直面している課題について、ずっとお話ししてきました。自由や民主と安全についての議論を行ったように、アメリカでは社会の分断や格差の問題が、コロナの中で先鋭化してきています。

 そして、なぜ権威主義が世界における勢いを増しているのかを考えると、それはアメリカの民主主義そのものが力を失い、迷走して、うまく機能していないからではないかと考えられます。バイデン氏が「自分が大統領になれば、そこをしっかり立て直す」と言っているところは、非常に大事だと思うのです。

―― 民主主義を立て直すと言っているのですね。


●トランプ政治で分断されたアメリカを立て直す


小原 トランプ政治というのは本来あるべき民主主義ではなくて、ポピュリズムだと彼は言っています。「自国第一」というのは「自分主義」で、自分のことしか考えていない。それが社会を分断しようとしていて、分断によって敵と味方がつくられ、味方が糾合される。まさに「敵がいるから味方」ということで、共産党政権などでもそうですが、味方と敵で社会を分断することによって自分たちの結束を強めるという手法です。

 いわゆるトランプ支持の人々を「岩盤支持層」といいますが、社会の分断を先鋭化すればするほど岩盤は強くなります。その内部では、何が起きても自分たちの味方を守るのだという傾向が強まります。

 「何をやってるんだ。あんな政治では、俺たちは全然、成果を得ていないよ」「生活、よくなっていないよ」と言っていたラストベルト地帯の人たちであっても、中国や民主党のような敵がいるという事情の前では結束してしまうわけです。

 そのような対立...

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