米中関係の行方と日本の今後を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「戦狼外交」と「probing」、中国の攻撃的外交の特徴
米中関係の行方と日本の今後を読む(5)中国の自信と変化する中国外交
小原雅博(東京大学名誉教授)
現在の中国外交には変化の兆しがある。一つは「戦狼外交」として、外部からの攻撃に対してすかさず反撃を加える点だ。もう一つは「probing(探り)」といわれ、小出しに当たって相手の反応を見る方法だ。いずれも中国が世界の大国化したことで膠着や変化を見せる国際情勢に対応するための方法だ。(全12話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分15秒
収録日:2020年9月8日
追加日:2020年10月17日
カテゴリー:
≪全文≫

●中国メディアに見る「中国の自信」


小原 では、今の中国の状況はどうなのかを知るため、ここに少し中国のメディアを紹介しました。

―― メディアですね。はい。

小原 ええ。一番下に「人民日報」とあります。これはもちろん皆さんご承知のように、共産党の機関紙です。

 この新聞が2020年8月21日に何を言っているかというと、「中国共産党の成功」という言葉があります。中国というのは、これまでも習近平国家主席による「人類運命共同体」のスローガンがあったように、トランプ氏が「一国主義」を標榜し、自分の国の利益を最優先していくのとは違う、ウィンウィンの形を目指しました。「世界とともに成長していくのだ」というスローガンやプロパガンダが実施されてきたのです。

 感染症危機においても「中国共産党の成功」は、別名「マスク外交」などといわれ、いろいろな支援を通じて、自分のことだけを考えているのではないことをアピールしています。「自分たちが感染をうまく抑え込んでいる経験を皆さんに伝えますよ」という成功への自信、これがまさに世界的な意義だと言っているわけです。

 「人民日報」の系列に「環球時報」というメディアがあります。6月15日の記事をご覧になると分かるように、「経済低落のアメリカ、経済回復する中国」というコントラストを出しています。中国は上昇、アメリカは下降で、その後は脱アメリカ、中国化という図式です。

 また、その下には「中国の政治体制が非常にすぐれていることは、今回のコロナを見ても分かるでしょう」ということが書かれ、「西側の民主主義には欠点がある。アメリカは自信を失っている」という結論になる。これらはプロパガンダとしての「中国の自信」です。


●日本は「国際社会」の見方に色眼鏡をかけていないか


小原 日本のメディアなども、やはりどうしても色眼鏡になってしまっています。西側のメディアがいずれもそうなのかもしれないですが、要するに西側はそうなのです。ただ、途上国や権威主義体制の国から見ると、やはりこう書かれると、事実はそれに近いのではないかと感じるということです。

―― なるほど。

小原 6月30日に「香港国家安全維持法」が成立した時、国連の人権理事会で投票がありました。この法律に対して賛成か反対かということでしたが、反対が27カ国...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾