米中関係の行方と日本の今後を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
対中関与政策終了で中国依存のリスク回避を進めるアメリカ
米中関係の行方と日本の今後を読む(6)アメリカの模索する道
小原雅博(東京大学名誉教授)
戦狼化する中国外交に対し、アメリカは「対中関与政策」終了を告げ、デカップリングを進めている。だが、国民の生活に根付いた中国依存を拭い去ることは容易ではなく、中国を顧客とする企業活動にもさまざまな軋轢が起こっている。自由・民主か経済利益かの葛藤には、日本企業も巻き込まれかねない。(全12話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分32秒
収録日:2020年9月8日
追加日:2020年10月17日
カテゴリー:
≪全文≫

●「対中関与政策」の終わりとデカップリング


小原 それでは、中国の外交に対応してアメリカは何をやろうとしているか。

 1972年にリチャード・ニクソン大統領が訪中して、そこからスタートしたのが「対中関与政策」です。本シリーズではトランプ政権のいろいろな公文書やポンペオ国務長官の演説の話にふれてきましたが、その中で「関与政策ももう終わる、これは失敗したのだ」と言い出し、具体的には中国との関係、特にハイテク分野におけるデカップリング(切り離し)が行われました。ハイテクに限らず、中国の対米輸出や中国企業の対米投資を制限していったのです。

 実際上、ニューヨークの株式市場や債券市場に出てきている中国企業の中には不透明性が非常にあります。その報告をきちんとしないような企業はもう締め出すというようなことで、実際にアメリカを離れ、今回香港などに移った企業もいる。それによって、香港の株式市場はなかなか落ちない。

 「小原さん、香港の自由がこういう形で損なわれてくると、香港の株式市場なども落ちていくのではないかと思っていたが、どうも落ちないね」と言われる一つの理由が、今のこういった動きにもあるわけです。

 さらにいえば留学があります。オーストラリア同様、アメリカも大変な数の中国の留学生を受け入れており、高等機関である大学などにとって非常に大きなプラスになっています。そういうところについても警戒感を持って、特に理科系の留学生などに対してビザを延長しないとか発行しないなどの制約を加え始めています。研究協力やデータ、情報技術を規制する立法行政措置を、アメリカは今どんどん取っているわけです。


●中国依存リスクの減少と製造国家への転換


小原 それから、もう一つは中国依存リスクを少なくしていくことです。トランプ大統領はつい先日も、大統領選挙に向けてこの話をしています。例えば医薬品に含まれる成分の8~9割は中国関係だと言われていますから、その依存をなくしたり少なくしたりしていったりするのは非常に大事なことです。あまりに中国依存が大きいと、中国から貿易が止められてしまったとき、医薬品などは大変なことになるわけです。

―― そうですね。

小原 これまであまりにも中国依存をしてきたことを考え、アメリカ市民の間で「チャイナフリー」の議論が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(5)否定神学とラカン理論の限界
暴いてはいけない!?心を理解する上で重要な「否定神学」とは
斎藤環
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(19)橋爪大三郎先生のリベラルアーツ論
【10min解説】橋爪大三郎先生:AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
三つの建国――その歴史的背景から迫るアメリカの原点
中西輝政