米中関係の行方と日本の今後を読む
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
コロナ・パンデミックはいつ終わるのか、短期シナリオは崩壊
米中関係の行方と日本の今後を読む(2)「複合危機」が分けた明暗
小原雅博(東京大学名誉教授)
新型コロナウイルスの蔓延によって「健康の危機」だけでなく「経済の危機」ももたらされた。互いにトレードオフの関係に二つの「複合危機」にどう対応すればいいか、簡単に結論は出ない。このパンデミックはいつ終わるのか。ワクチン開発競争に明かりは見えるのだろうか。(全12話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分53秒
収録日:2020年9月8日
追加日:2020年10月1日
≪全文≫

●「スペインかぜ」の時に世界はどう動いたか


小原 私は現在の状態を二つの危機、つまり「複合危機」と呼んでいます。一つは「健康の危機」で、もう一つは「経済の危機」です。この二つの関係が非常に難しく、前回言った厄介な問題だということになります。

 健康の危機については、究極的にはワクチンや治療薬ができるまで、この危機が続きます。ワクチンや治療薬がない以上、第二波や第三波も含めて不確実性が伴う。いったん収束しかかったかと思うと、また次の波の来る可能性があるということです。

 それを象徴するのが、実は100年前に起きた「スペインかぜ」です。実際にはかぜではなくてインフルエンザですが、俗称「スペインかぜ」と呼んでいます。このときにアメリカの43都市でどういう措置を取ったかというデータがちゃんと残っています。そのデータに基づいて、実は本当に大事な報告書が二つ出ているのです。

―― それは、当時の文書ということですね。

小原 いや、報告書自身は21世紀になってからのものです。最初の報告書はCDC(感染予防管理センター)が2007年につくったもので、もう一つは今年(2020年)の3月にFRB(連邦準備制度理事会)やMIT(マサチューセッツ工科大学)の専門家がつくったものです。


●スペインかぜ感染抑制に効果的だった措置とは


小原 最初の報告書には、まさに健康の危機について書いてあります。迅速で持続的で多層的な措置をしっかり取れば、健康の危機を抑え込む効果が大きかった。そうした措置をしっかりと長く、いくつもまとめて取った都市ほど、感染を抑え込むのに効果的だったというのが結論です。

 もう一つの報告書は、そうした措置をしっかり取った都市と経済の危機の関係です。つまり、タイミングとしていつ取ったのか、どのぐらい取ったのか、それからどの程度強くやったのかという三つです。この三つの措置をしっかり実施した都市ほど、経済の回復の度合いが大きかったという結論が出ているわけです。

 したがって、この二つの報告書に沿った対応をすれば、危機に対してかなりうまく対応ができたのではないかと考えられます。

―― ということは、早く封鎖や隔離をしたりするのが大事だったということですね。

小原 ええ。そうした措置を取るのか取らないのかというところで、中国とアメリカの対...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(4)ダーウィンの進化論と自然淘汰の理論
『種の起源』…ダーウィンとウォレスの自然淘汰の理論
長谷川眞理子
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
津崎良典
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…大大名たちを魅了した秀長の器量とは?
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文