政権と経済政策~政治を動かす経済学説
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マルクス主義から革命へ…政治体制をも変える学説の影響力
政権と経済政策~政治を動かす経済学説(1)政治と学説の関係性
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
政治経済に関する学問的な探求と、現実の政治体制や政策実行は、実際にどのように関わり合っているのだろうか。分けて考えられがちな両者の結びつきを、共産主義を打ち出したマルクスなどを例にして捉え直していく。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分02秒
収録日:2023年3月31日
追加日:2023年6月6日
≪全文≫

●学説を政治がどのように吸収し実行していったかを振り返る


―― 皆様、こんにちは。本日は曽根泰教先生に「政権と経済政策」というテーマでお話をいただきます。曽根先生、どうぞよろしくお願いいたします。

曽根 よろしくお願いします。

―― 今回のお話は、例えば経済学や経済学史、いろいろな経済政策が政治とどういう関係があるか、その分析ということでしょうか。

曽根 はい。通常、学説史というのは、その学問体系の中で語られることが多い。しかし、実際の政治がどういう政策を学問体系から組み込んで実施しているかは、通常政策といわれるわけですが、それを見るためには政治プロセス全体を見なければいけないという趣旨から、今日は経済政策を1つの事例として、政策をどう使っているか、そしてそれは政権や政治体制全体の中でどう位置づけたらいいのかというお話をしたいと思います。

―― そうすると、例えば経済学にしても、いろいろな立場の主張があって、甲論乙駁で、その学会の中では当然論争があったり、いろいろなやりとりがあったりしますが、その世界とはまた別に、それが実際政治に(使われて)いったときにどうなるかということですか。

曽根 学者が査読付きの論文で、レフリーからどう指摘されて、どちらが先に議論したかというのは学界内の話であって、例えば最初に論文を発表した人の政策が政策として実行されているかというのはまったく別問題です。だから、どの政策をどのように利用するかというのは、政治プロセスの中でしか考えられないのです。

 今回は、学説史の中で有力な説を唱えた人を4人取り上げます。この4人はその中でも有名な人なのですが、それを政治がどう吸収して、どのように実行していったかという関係を、ざっくりですがお話ししたいと思います。

―― そうすると、当然、「社会科学」といわれますけれども、学問の世界からしても実際に社会がどう変わるのかというところになりますし、社会、政治の側からしても何を使えばより良くなっていくのかというところで、これはけっこう面白い組み合わせというところですね。

曽根 これは新しい分野で、実はあまり従来議論されてきたことがない領域だと思います。政策は政策で議論され、学説は学説で議論されます。議論されるのだけれども、政権とのつながりや、今日、一部申し上げる、例えばマルクス主義というのは学説...

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