●1. 安倍首相突然の降板
ー突然の降板の理由:潰瘍性大腸炎は表向きの理由
・20. 8.28 持病の潰瘍性大腸炎再発を理由に、突然、総理大臣降板を発表。
・7月から体調不良、8.17.と24 慶應大学で検査、診断、8.24 潰瘍性大腸炎再発。闘病しながら首相つづけようかと迷ったが、健康不安で政治判断誤ってはならぬ。一人で決断したという。
・安倍氏は退任の発表で、志半ばで誠に残念。NK拉致問題、ロシアとの北方領土問題解決と平和条約、憲法改正。やりとげられず断腸の思い。しかし政治空白はならぬ。CV新対策策定後、今が最適と判断した。
ー政治的政策的行き詰まり、無力化の回避?
・潰瘍性大腸炎の再発を首相退陣の真の理由と受け止める人は多くない。
・政治的、政策的行き詰まり。このままでは打つ手なく、無力化するおそれ。それを回避するために、この段階で、長期政権に自ら終止符を打った、との観測が多い。
●2. 安倍長期政権と安倍一強時代
ー安倍長期政権の展望
・その安倍政権に長期政権を持続できない何かが起きていたのか。
ー安倍一強時代に醸成された“忖度”の世界
●3. 安倍政権の総合評価
ーアベノミクス:3本の矢の功罪
・第一の矢:金融政策、超金融緩和
・第二の矢:積極的機動的財政政策
・第三の矢:成長戦略
ー外交活動
・トランプ大統領
・プーチン大統領とは28回の会合。北方四島問題、平和条約締結不毛に終わった。
・習近平主席とは、表面的な会談はあったが、信頼関係は築けず。
・文在寅大統領とは日韓史上最悪な関係。
ー挫折
・悲願の憲法改正、建前の北朝鮮拉致問題には手掛かりもつかめず、挫折。”慢心”か?
●4. 菅政権の成立
ー “考えたこともない”人が豹変、突如総裁選に立候補
ーなぜ菅氏は総裁選に挑戦したか?
・2005年以来15年間、女房役、no.2に徹して安倍氏を補佐。安倍氏も菅氏を全面信頼
・2020.2. CV対応、安倍氏は学校閉鎖について菅氏に相談せず。官邸側近を重用。菅外し。安倍氏に幻滅?スキマ風?指導者としての安倍首相見限り?心境変化?
・石破氏、岸田氏より、自分の方が国を担う実力ははるかに上との自信?
●5. 菅義偉という人物
ー生まれと育ち
・菅義偉氏は、秋田県湯沢市秋の宮の農家、姉二人、弟一人の長男として育った
・上京後、地元の高校の紹介で板橋区の段ボール工場住み込み就職。厳しい労働環境。その後、昼は築地市場の台車運び。夜は新宿飲食店の皿洗いなどアルバイト生活。
・「このまま一生終わりたくない」アルバイトと勉強。1969(2年遅れ)法政大学法学部入学。月謝が安い。弟と下宿。剛柔流の空手部。極左セクト自治会掌握。矛盾感じ?
ー小此木彦三郎氏の秘書から政治家に
ー梶山静六氏に師事
ー安倍晋三氏を補佐
・2006年9月、第一次安倍内閣の総務大臣。ふるさと納税の発案。地方なくして都会なし。
・失意の安倍氏と支え続け、2012.12月、捲土重来で安倍第二次政権成立。
・官房長官就任。就任直後、菅は事務次官を集め「幹部人事は事前に私に相談してもらう」
・その後、官邸に人事局。官僚幹部人事官邸掌握。主導したのは菅官房長官。
●6. 菅政権の政策メニューと取り組み状況
ーデジタル庁
・進捗状況:2021年9月メド、D庁創設
・デジタル庁骨格案:首相トップの直轄組織。政府の情報システム統合めざす。定員500人。事務次官級のデジタル監設置。民間IT人材100~150人起用。
ーグリーン(脱炭素)政策
2020.10.26所信表明:「2050までにカーボンニュートラル脱炭素社会の実現めざす」と宣言。
2020.12.25:グリーン成長戦略決定:重点14分野。
・産業界の貢献
日本製鉄:2050温暖化ガス排出ゼロをめざして高炉をつかった水素製鉄の実用化めざす。
トヨタ:”みらい”水素使用FCV車、新型。航続850km、価格710万円からに↓HV車残す。
EVの次世代基幹技術として全固体電池に脚光。官民で実用化に加速。
ーRCEP参加
・11.15. 菅首相は、RCEP(地域包括的経済連携)リモート首脳会議で署名。
●7. 菅政権の人気急落と政権の説明力
ーハネムーン後の支持率急落
・菅政権は74%という高い支持率のもとに発足したが、ハネムーン期間(100日)を過ぎる頃から支持率急落。2020年12月中旬には43%(読売)42%(日経)と短期間に30%の大幅下落。さらに2021年1月10日共同通信調査では41%にまで下落。さらに1.16読売新聞調査では39%、ANN調査では34.8%まで落下。
ーコロナ対応の迷走と混乱
ーコロナ対策は政治指導者には鬼門?
ー菅政権の意思決定スタイルの問題
ー抜本的なコロナ対策:医療安全保障宣言のすすめ
ー菅政権が推進する供給力強化戦略を明解に説明せよ
・実直は良いが、わかりやすい説明がないのが、菅政権の欠点ではないか。
ーデジタル化と脱炭素化は日本経済の供給サイド強化の抜本...