2021年激変する世界と日本の針路
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
バイデン政権で対立が激化した米中関係はどう変わるのか
2021年激変する世界と日本の針路(4)米中対立の展開と展望
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
ここ数年で深刻化している米中対立について、これまでの経緯を踏まえ考えていく。トランプ政権時、アメリカは重商主義を掲げ、対中追加関税の波状攻撃を進めていくが、この米中貿易摩擦の影響は世界経済全体へと広がっていくことになる。さらに、米中ハイテク覇権戦争が繰り広げられていくのだが、アメリカは中国ハイテク企業の自国ならびに世界市場からの排除・締め出しを進めているという。そうなると、中国の国産化は進むことになるのだが、それは世界的情報関連産業のサプライチェーンは分断、つまり世界経済の分断につながる危険性もある。はたしてバイデン政権によって米中関係は変わるのだろうか。(第4話)
(本シリーズ講義では、島田晴雄先生が作成されたレジュメ内容を本文として掲載いたします。そのため、一部、動画では触れられていない部分がありますので、資料としてご活用いただければ幸いです)
時間:10分00秒
収録日:2021年2月2日
追加日:2021年2月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●1. 米中貿易戦争


ートランプ型の重商主義
ー高追加関税賦課の一本足打法
ー対中追加関税の波状攻撃
・2018.7.6 第一次追加関税発動:産業用ロボットなど340億ドル(約3.8兆円)分に25%の追加関税。中国も同規模の報復に出る構え。
・2018.8.23.第二次追加関税発動:半導体や化学品など279品目。160億ドル相当に25%の関税上乗せ。中国も直ちに同規模の報復。
・2019.9.24.第三次追加関税発動:約2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に10%の追加関税。中国報復。600億ドル相当の米国製品に5~10%の報復関税を即日実施。
ー米中交渉、第一段階合意、高追加関税第四弾は発動見送り
ー中・米・世界経済への影響
・米中貿易摩擦で、全輸入品に一律25%関税がかかる想定。IMF推計
中国実質GDPは最大ー1.5%↓、USは最大ー0.5%↓(モデルは代替効果考慮)
・世界経済全体への影響 -0.8%
ー2020.1.15.の米中合意以降の展開
・2018~19にいたる米中の報復関税の応酬の結果、米国の対中国への関税率は貿易摩擦前にくらべ約6倍の19%、中国の対米関税率は2倍超の20%にあがった。
・2020.1.15.の第一次合意から1年経過した時点で、合意した中国の米国製品大量購入の約束は目標の6割にとどまる。バイデン氏は、トランプ氏の効率制裁関税による交渉は失敗と批判。


●2. 米中ハイテク覇権戦争


ー華為技術(HW)などハイテク企業制裁
ーEntity List(特別規制対象)記載で制裁
・HWは国際分業と協業のメリットを最大限に生かして急成長してきたグローバル企業。
ー中国情報力の強化と脅威
・中国の情報力はBATH(Baidu, Alibaba, Tencent, Huawei)などデータを活用する先端企業の成長でめざましく強化。
・人口が多い中国(14億人、USは3.3億人)+一帯一路でさらに10億人が有利。
・中国の監視社会。監視能力は最強。
・GPS(アメリカ版位置測定衛星、1978年に開始)に対し中国は通信衛星システム北斗を(ベイドウ)2000年に構築。2018、全世界に向け北斗のサービス開始を宣言。
アメリカの稼働衛星31基に対し北斗は35基。
ーアメリカの警戒感の高まり
・ペンス副大統領演説(2018.10.2、2019.10.24)は対中強硬派の声を代表。アメリカは中国に手を差し伸べてきたが、裏切られた。アメリカは不公正貿易を許さない。中国の経済強国化戦略は危険だ。
ーハイテク対立は情報システムからコンテンツ・ネットワーク...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
「中華民族の偉大な復興」と中国外交(1)外交姿勢・前編
四字熟語で見る中国外交の変化
小原雅博
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(3)睡眠にいい環境とお風呂の入り方
布団に入る何分前がいい?入眠しやすいお風呂の入り方
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄