2021年激変する世界と日本の針路
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
コロナ禍での世界的な株価高騰、その背景と今後の課題
2021年激変する世界と日本の針路(8)世界経済の動向
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
コロナ禍の世界経済はどうなっているのか。世界的な株価高騰の背景には、アメリカの政権交代、コロナワクチンの開発、またコロナ対策としての金融緩和などが挙げられるが、実体経済と大きく乖離していることは事実。バイデン政権は莫大な財政支出を計画しているが、財源不足で長期金利の上昇につながる可能性がある。そうなると、高騰する株価を逆転させるリスクがある。そんな中、「Japanification(日本化)」という議論がある。これからの世界諸国にとって、日本が一つのモデルを提示しているのではないかというが、果たしてどうなのか。(全9話中第8話)
(本シリーズ講義では、島田晴雄先生が作成されたレジュメ内容を本文として掲載いたします。そのため、一部、動画では触れられていない部分がありますので、資料としてご活用いただければ幸いです)
時間:4分32秒
収録日:2021年2月2日
追加日:2021年3月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●1. CV下の株価高騰


ー世界株価、空前の上昇
・2020.12.24.NYダウ工業株30種平均、史上初の3万ドル超え。
・CV禍中での株価の高騰は、アメリカ政権移行の進展、CVワクチンの開発と提供の開始、そして世界各国のCV不況対策としての超金融緩和による資金提供と大規模財政支出を基盤として現出。この株価は実体経済と著しく乖離。この乖離がいつまでつづき、いつ収縮するのかが課題。


●2. 懸念されるリスクと対応策


ー下方リスク懸念
・G20首脳会議、2020.11.22、首脳宣言「感染拡大などより大きな下方リスク」警戒
・欧州2番底警戒。ユーロ圏購買担当者景気指数PMI、4ヶ月ぶりに不況指数。失業上昇
・一方、バイデン政権はバイデンNew Deal政策で、莫大な財政支出を計画しており、財源不足のもとでそれが長期金利の上昇につながる可能性がある。金利上昇は株価高騰を逆転させるリスクがある。



●3. 累積財政債務とMMT理論


ー政府財政債務の累積、IMF予測
・IMFの2020.9.のレポートでは、世界諸国の累積債務はさらに上昇し、先進20ヶ国では128.8%。これはWWII直後の1946年の124.1%を上回る。
・CV感染はつづいており、財政措置は必要だが、政府債務の累積は.債務返済が滞って金融市場での信用が低下し、長期金利が上昇。資金調達が困難になるおそれもある。若干の国々はすでに債務不履行(デフォルト)も起きている。
ー累積債務問題への対応:累積債務は解消すべきか、許容されるか
・主流派経済学者は累積債務は歳出削減(政府経費や社会保障支出の削減)と歳入増加(経済成長、増税)によって削減し均衡財政を回復すべきという主張。伝統的主流派経済学は財政規律を重視。しかし、ここまで累積債務が膨張した現状では、伝統的方法で均衡財政が回復できるかの疑問も。
・最近注目されるMMT派は、国家が自国通過発行権をもつ以上、財政債務の累積は許容されると主張。
・現実的に、CV抑制と後遺症回復までは財政支出は必要で、財政再建のための財政支出を制限すべきでないという政策論を強調する論者は多い。
ーMMT(Modern Monetary Theory)の主張
・「インフレがない限り成長促進のために財政ファイナンスを無制限に実施しても良い」との主張(NY州立大、Tiffany Kelton教授ら)。財政赤字容認論。米民主党左派議員が持ち上げて拡散。彼らはMMTの実証例は日本とする。
・日銀は当惑。国債を財政フ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
人生100年時代の「ライフシフト概論」(3)キャリアの危機〈下〉
40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」
徳岡晃一郎
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏