●1. CV下の株価高騰
ー世界株価、空前の上昇
・2020.12.24.NYダウ工業株30種平均、史上初の3万ドル超え。
・CV禍中での株価の高騰は、アメリカ政権移行の進展、CVワクチンの開発と提供の開始、そして世界各国のCV不況対策としての超金融緩和による資金提供と大規模財政支出を基盤として現出。この株価は実体経済と著しく乖離。この乖離がいつまでつづき、いつ収縮するのかが課題。
●2. 懸念されるリスクと対応策
ー下方リスク懸念
・G20首脳会議、2020.11.22、首脳宣言「感染拡大などより大きな下方リスク」警戒
・欧州2番底警戒。ユーロ圏購買担当者景気指数PMI、4ヶ月ぶりに不況指数。失業上昇
・一方、バイデン政権はバイデンNew Deal政策で、莫大な財政支出を計画しており、財源不足のもとでそれが長期金利の上昇につながる可能性がある。金利上昇は株価高騰を逆転させるリスクがある。
●3. 累積財政債務とMMT理論
ー政府財政債務の累積、IMF予測
・IMFの2020.9.のレポートでは、世界諸国の累積債務はさらに上昇し、先進20ヶ国では128.8%。これはWWII直後の1946年の124.1%を上回る。
・CV感染はつづいており、財政措置は必要だが、政府債務の累積は.債務返済が滞って金融市場での信用が低下し、長期金利が上昇。資金調達が困難になるおそれもある。若干の国々はすでに債務不履行(デフォルト)も起きている。
ー累積債務問題への対応:累積債務は解消すべきか、許容されるか
・主流派経済学者は累積債務は歳出削減(政府経費や社会保障支出の削減)と歳入増加(経済成長、増税)によって削減し均衡財政を回復すべきという主張。伝統的主流派経済学は財政規律を重視。しかし、ここまで累積債務が膨張した現状では、伝統的方法で均衡財政が回復できるかの疑問も。
・最近注目されるMMT派は、国家が自国通過発行権をもつ以上、財政債務の累積は許容されると主張。
・現実的に、CV抑制と後遺症回復までは財政支出は必要で、財政再建のための財政支出を制限すべきでないという政策論を強調する論者は多い。
ーMMT(Modern Monetary Theory)の主張
・「インフレがない限り成長促進のために財政ファイナンスを無制限に実施しても良い」との主張(NY州立大、Tiffany Kelton教授ら)。財政赤字容認論。米民主党左派議員が持ち上げて拡散。彼らはMMTの実証例は日本とする。
・日銀は当惑。国債を財政フ...