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「IT巨人企業」による情報革命の衝撃と影響

2021年激変する世界と日本の針路(6)「IT巨人企業」の興隆と問題

島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
情報・テキスト
世界の動きの中でもう一つ注意しておかなければいけないのは、情報技術の急速な発展と、「IT巨人企業」と呼ばれるGAFAなどが大変大きな力を持ってきているということだ。その拠点ともいえるのがシリコンバレーだが、そこではどのようにして情報革命が実現されたか。また、GAFAにMicrosoft、Netflix、Teslaを加えた「GAFAMNT」が目覚ましい躍進を遂げているが、その一方で米欧によるGAFA批判と規制の問題も浮上している。それはどのようなことなのか。ITの巨人による情報革命とその影響について考えていく。(第6話)
(本シリーズ講義では、島田晴雄先生が作成されたレジュメ内容を本文として掲載いたします。そのため、一部、動画では触れられていない部分がありますので、資料としてご活用いただければ幸いです)
時間:05:53
収録日:2021/02/02
追加日:2021/03/06
カテゴリー:
≪全文≫

●1. SV(シリコンバレー)の情報革命


ーSVはどのように未来志向の情報革命を実現したか
・今、世界はGAFAと通称されるIT巨大企業がさまざまな意味で席巻している。
ー半導体生産基地、1980s半導体市場は日本が席巻、アメリカ産学日本研究
ーStanford大学のエコシステム形成戦略とベンチャー群の創出
・Stanford大学工学部長Fred Terman教授が主導してHarvard大を凌駕するPT開始
ー政府主導の資金提供
ー創造的野心的人材の集結と人材循環
ーアルゴリズム革命
・コンピューターの計算能力の飛躍的発展→ビッグデータの計算高速化・安価
・データサイエンス型分析。ビッグデータからmachine learningで解を導く。


●2. GAFAMNTの目覚ましい活躍


ーBig DataとAIによるDeep Learning
ビッグデータ、AIを活用したdeep learningによる解の導出
・BDのDeep learningで、個人行動分析・予測、誘導。Target advertising可能に
ーPlatformer型ビジネスモデル
・市場支配の例:
Amazon:低価格・効率配送で顧客が増え、増えた顧客目当てに出品業者が増えるとネットワーク効果で規模が拡大、競合小売業者の排除進展=Amazon effect.
Facebook: 30億人の会員、世界最大のSNSネットワーク。その維持のため、競合の可能性のあるビジネス(Instagramなど)を買収し、市場支配を強化。
ーGAFAMNTの創業と発展
・GAFAMNTは創業から10~20年という短期間に世界のIT巨人企業に成長。
・成長速度、高い株価による莫大な企業価値、高い利益率(例外:Amazon)
・投資家にとって未来先取りの投資対象(とくにTesla)→高企業価値


●3. 米欧当局のGAFA批判と規制


ーGAFAの市場支配に対する批判と規制の動き
ーGAFAの独占的行動に高まる疑義と批判
・2018年、Facebookの個人情報が大量に情報分析会社に流れて選挙に利用されたことが巨大IT企業の危険として世間に衝撃
ーEUのGDPR
・2018年にEUでGDPR(General Data Protection Regulation)が法制化され、個人情報に関する厳しい規制が企業や社会全般に課せられることになった。
ー独占禁止法は有効か
ー2020米当局による聴聞と提訴
・2020.9、米議会でGAFAトップに対する公聴会が開かれ、長時間の審問
・2020.11~12. 米司法当局、議会などの調査に基づき司法当局による提訴が行われた


●4. IT巨人による情報革命の衝撃と影響


ーBig Data活用による市場と個人支配
ー個人を確定する監視と誘導社会のおそれ
ー既成の企業モデルを超えるPlatformerの成長と支配力
ー求められる新たな規制思想・政策と課税システム
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