続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題
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世界支配企業に成り上がったITベンチャーの問題点
続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題(10)SVを再点検する
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
GAFAMNTが体現してきたのは、産業革命に比肩する世界史的技術革新だろう。それは、私たちの生活、社会、産業、国家、つまり世界の全てが高速に変化し、格差の拡大さえ後押ししているように見える。彼らを生み出したシリコンバレーの風景を再点検し、そこから学ぶべきこと、是正すべきことを考える。(全11話中第10話)
時間:9分10秒
収録日:2021年7月20日
追加日:2022年7月12日
≪全文≫

●GAFAMNTが体現する世界史的技術革新


 シリコンバレーの風景を皆さんとここまでずっと勉強してきましたが、今あらためて何を学ぶかということを、最後にまとめてみたいと思います。

 一つは、GAFAMNTが明らかに世界史的な技術革新を体現していること。これは産業革命に十分比肩する世界史的技術革新といえると思うのです。

 19世紀頃の産業革命では、まず蒸気機関が生産・運輸・海運をまったく変えてしまった。それからモータリゼーション(内燃機関)。これは大きな航空産業をつくり、ニューヨークのような大都市をつくってしまった。その後、電気通信とITによって、効率化とグローバライゼーションが大いに進みました。

 しかし、今やGAFAMNTが代表するのは第四次産業革命です。コンピュータの能力があまりに進化したため、ビッグデータ、ディープラーニング、ターゲティングができるようになった。また、ネットコミュニティができるようになり、個人を確認・確定できるようになった。そういう、これまでになかったことが起きてきたのです。

 GAFAMNTは人びとの生活、社会、産業、国家など、世界全てを変えてしまっています。モバイル端末によって個人が発信できるようになると、SNSの世界になり、ネットコミュニティになる。例えばグレタ・トゥーンベリ氏というスウェーデンの16歳の少女が「世界中の気候変動政策は間違っている」と言うと、ネットを通じて数百万ではなく数千万の人がフォローするようになった。個人の発信の能力が強まり、個人がつながることができるようになったのは、人びとの生活と社会にとって目覚ましい変容です。

 それから、5Gから6Gへと進む高速通信、情報共有、IoTによる産業活動の高速化・効率化にも著しいものがあります。さらにネット情報が普及すると、世界のグローバリゼーションが幾何級数的に加速化します。同時に過小評価できないのは、格差が拡大していることです。イギリスがEUから外れたりしてしまうのも、格差の拡大が背景にありますし、第四次産業革命の結果かもしれないですね。


●プラザ合意後に競争力をなくした日本、日本企業から学んだアメリカ


 GAFAMNTを生み出しているシリコンバレーについては、皆さんと一緒にずいぶん勉強しまし...

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