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イーロン・マスクが発揮する驚異の実行力と「三つの夢」

続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題(4)ザッカーバーグとマスク

島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
情報・テキスト
創業者群像の第4話では、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏とテスラのイーロン・マスク氏を取り上げる。ここまで紹介したシリコンバレーの創業者たちに共通するのは、強烈な個性、視野の広さ、自由な発想であり、また半分ほどが外国の出身者である。(全11話中第4話)
≪全文≫

●世界の30億人を結ぶSNS創始者は37歳


 それから、フェイスブックをつくったマーク・ザッカーバーグ氏。世界中の人びとが友だちをネットワークできるようなインフラをつくろうとして、できたのがフェイスブックです。ですから、人びとをつなげるSNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)はザッカーバーグ氏がつくったようなものです。利用者は今や30億人近くに上ります。

 フェイスブックの「いいね!」の分析で、個人の属性や思考までが解析できてしまいます。ともあれ膨大なフェイスブック利用者を持っているので、うまく使うと潜在的にすごい力を発揮する可能性があるわけです。

 フェイスブックでは何度か個人データ流出事件が起こっているため、ザッカーバーグ氏の個人情報の管理及びそれを扱う姿勢が法曹界やその他から問題視されています。そうこうしているうちに仮想通貨"Libra(リブラ)"を提案して、こちらは既存の金融界からすさまじい抵抗と批判を受けます。確かに天才だろうし、異能の起業家ではあるものの、社会性の面でやや問題があるのかという感じがしなくもありません。

 現在(2021収録時)、まだ37歳のザッカーバーグ氏はニューヨーク州で、歯科医の父親と精神科医の母親の間に生まれました。高校に入学しますが、退屈でたまらないため、エリート進学校として有名なフィリップス・エクセター・アカデミーに転校。その後ハーバード大学に進学しますが、大学に入ってからもずっと自分の発明ばかりに取り組んでいました。


●フェイスブック17年の足跡とザッカーバーグ氏の横顔


 ザッカーバーグ氏は、ハーバード大学内で特定の個人の画像ランキングサイト「Hot or Not」を立ち上げます。ザッカーバーグ氏は女子の情報を集めることや、それをもとに「あれはいいのかそうではないのか」といったことが好きだったようです。ネット上に開設された「Hot or Not」は大学の管理部に問題視され、ザッカーバーグ氏のインターネットアクセス権は無効にされます。サイトがオンライン上に存在したのはわずか4時間ほどということです。

 ザッカーバーグ氏はむろん自分の正当化を図りますが、2004年になるとSNSサイトのフェイスブックを立ち上げるとともに大学を休学します。ですから、フェイスブックはできてまだ17年しかたっていないわけです。

 2007年5月、サンフランシスコで行われた会議で、ザッカーバーグ氏はフェイスブック内で使用できるアプリの開発を可能にするアプリケーション・プログラミング・インターフェースを開始すると発表し、「Facebook Platform」をスタート。ザッカーバーグ氏はにわかに時の人になって、世界中の関心と報道の的になったと言われています。

 2018年、フェイスブックは約8700万におよぶユーザー情報の流出問題で大問題になり、プライバシーの扱いなどの姿勢が問題視されます。ザッカーバーグ氏は、2018年4月に連邦議会上院司法委員会の公聴会に呼び出され、厳しい喚問を受けました。


●学生時代の夢を着々とかなえる驚異のワーカホリック


 最後にイーロン・マスク氏について、少し触れたいと思います。

 イーロン・マスク氏が恐ろしい働き者であることは周知の事実です。インタビューでは、「(創業者は)1週間に8100時間ほど働くものだ」と答えていたそうです。これは「マスク時間」とも呼ばれ、何かを決めると超スピードで行います。稀有の集中力と実行力、楽観主義ですね。都合の悪いことは頭から消えてしまうといわれています。

 学生時代に「三つの夢」を持ちました。徹底的にインターネットで地球を助けること、再生可能エネルギーでやはり地球を助けること、さらには惑星間移住です。当時から、「火星に3000人移住させる」と言っていたそうです。

 今、テスラは「Connected EV」を手がけ、燃料電池を開発し、ロケット開発に取り組んでいます。夢に一歩一歩近づいているということは言えると思います。今ではまさに世界一の富豪になっているし、まだまだ大きな夢を実現したいと張り切っているわけで、この人こそはシリコンバレーの申し子といえるかもしれません。


●南アフリカ出身の起業家、宇宙へ飛び出す


 マスク氏の生まれですが、実は南アフリカです。イギリス人とアメリカ人をルーツに持つ南アフリカ人の技術者が父親で、カナダ人の母親との間に南アフリカで生まれました。母親は南アフリカのプレトリアで栄養士やモデルとして働いていたそうです。

 10歳の時にコンピュータを買い、プログラミングを独学します。12歳で最初の商業ソフトウエアBlasterを販売...
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