続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題
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マイクロソフトを「公共企業」と語ったビル・ゲイツの実像
続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題(1)ビル・ゲイツとマイクロソフト
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
シリコンバレー物語の第二部では、IT巨人の創業と本質をたどり、課題に迫っていく。第1話では、アメリカを代表する伝説の起業家であり、IT巨人の草分け的存在としてGAFAに道を開いたマイクロソフト社・ビル・ゲイツ氏の足跡をたどる。マイクロソフトはいかにしてパソコン黎明期にIT王国をつくりあげて行ったのだろう。(全11話中第1話)
時間:8分02秒
収録日:2021年7月20日
追加日:2022年5月10日
≪全文≫

●シリコンバレーを彩る創業者たち


 「シリコンバレー物語 世界の覇者:その実像と今後」ということで、前回のシリーズではお話をしたのですが、そちらではシリコンバレーではどのようにGAFAのような、素晴らしい企業を生み出したのかという話を集中的にしました。

 第二次大戦中に軍事産業が集積し始めたシリコンバレーは、半導体産業の発展とともに、その集積地となりました。そこへIT企業が参集しはじめ、スタンフォード大学が組織的にベンチャーの企業育成を図って、エコシステムを構築します。この役割は非常に大きく、すぐれた経営人材が育っていきました。さらに投資機会を求めてベンチャーキャピタルが集まります。こうして、技術と人材と資金の好循環が生まれたというところまでお話ししたわけです。

 大きかったのは、コンピュータの計算能力の飛躍的発展を促進した「アルゴリズム革命」というものがあり、それを体現した未来志向のベンチャー企業がグローバルに市場開拓していったことです。このときに彼らがいち早く「プラットフォーマー」という新しいビジネスモデルを実現したということもあります。それで、GAFA+MNTとしてネットフリックス、テスラ、さらに最も古いマイクロソフトも含めた「GAFAMNT(ガファムント)」の時代が出現したということです。

 そこで、まず皆さんと一緒に、GAFAMNTの創業者のプロファイルを群像として見てみたいのです。


●ビル・ゲイツとマイクロソフト


 まず、何といっても、マイクロソフトをつくったビル・ゲイツ氏ですね。この人は、シリコンバレーを代表するIT巨人の草分けです。さらに開拓者でもあり、GAFAの偉大な先駆者と言えると思います。彼はガレージでPCのソフトフェア技術を開発し続け、とくにMS-DOSやWindowsなどのOSによって王国を築きます。

 後続のベンチャー起業家にとってビル・ゲイツ氏は本当に大きな目標であり、偉大な先輩です。人柄もなかなかいい人で、ザッカーバーグ氏なども末の弟のような立場として大尊敬しているのだそうです。

 近年になってインド人の人サティア・ナディラ氏に後継を譲りますが、ナディラ氏は非常に優秀な人で、超大企業の大胆な経営モデルの転換を実現します。それ以降ビル・ゲイツ氏はメリンダ夫人とともに、むしろ財団のほうに注力し、教育や医療、貧困撲滅に大きな貢...

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