続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
マーケットを支配するGAFAのプラットフォーム戦略
続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題(7)GAFAモデルとプラットフォーマー
経営ビジネス
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
GAFAはプラットフォーマーという新しいビジネスモデルを構築した。いずれも若い企業ながら、瞬く間にIT巨人に上り詰めたのは、彼らが多くのデータを集めることにより顧客を引きつけ、データ集積によるネットワーク効果を引き起こしたために他ならない。4社それぞれの具体的な展開を見ていこう。(全11話中第7話)
時間:7分33秒
収録日:2021年7月20日
追加日:2022年6月21日
≪全文≫

●プラットフォーマーと野口悠紀雄氏の慧眼


 もう一つの大きなイノベーションとして、特にGAFAが代表したのは、プラットフォーマーというビジネスモデルです。インターネットを通じて、さまざまなサービスのプラットフォームを提供するのが、プラットフォーマーといわれるものです。

 プラットフォーマーは、情報を伝達するだけでなく情報から価値を生むということで、新しい情報産業といえます。収集する情報は必ずしも機密情報ではなく、フェイスブックの「いいね!」のような、それ自体としては価値がなく、ただで集められるもの。ただし大量になって、ディープラーニングをさせると、非常に恐ろしい明確な答えが出てきたりするので、大量に集めることで価値を生みます。

 したがって、プラットフォーマーが保有するデータは、実はそういう分析が可能だという意味では非常に価値の高い資本ということです。経済学や会計学では、データや価値は資本として扱われていませんが、野口悠紀雄先生は大変重要な視点を提供しています。

 もし彼が本を書き直したら、これを最大の価値と分析されるでしょう。実際、彼はそのように言っているのですが、グーグルやフェイスブックの時価総額のほとんどは、実はビッグデータの価値なのです。資金力でも権力でもなく、データが資本になる。そういう世界がすでに来ていることを彼は主張していて、さすがに野口教授らしい慧眼だと思います。


●グーグルのプラットフォーム戦略


 具体的なGAFAの動きについて、グーグルから始めましょう。グーグルは設立されてから(2021年時点で)まだ23年しかたっていません。2020年の時点で、すでに時価総額が1兆ドルを超えました。

 彼らは「地球上のあらゆる情報の管理と整理をして、最も正確な情報を瞬時に提供する」という経営理念を持って会社を運営しています。彼らがどのようにプラットフォームを構築しているかというと、非常に高度な技術を用いたサービスを、ユーザー(利用者)とサプライヤー(供給業者)にタダで提供する。そうすると、ユーザーとサプライヤーの基盤が拡大していきます。これがプラットフォームなのです。

 もう少し具体的にいうと、例えば検索やユーチューブなどのサービスをタダで提...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
中島さち子
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(2)政府債務と預金残高の背景
なぜ日本の所得水準は低いのに預金残高は大きいのか
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査
「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味
川口淳一郎
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
片山杜秀
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子