続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題
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機械学習、プロファイリング…アルゴリズム革命とは何か?
続・シリコンバレー物語~創業者群像と課題(5)アルゴリズム革命〈上〉
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
GAFAが引き起こしたアルゴリズム革命について2話に渡って見ていく。コンピュータの演算能力が著しく高まり、ビッグデータが生成されたことが端緒になる。膨大なデータを認識するため、パターン認識による機械学習が始まる。そこにプロファイリングが加わって、広告手法に革命がもたらされていく。グーグルやネットフリックスなどの事例をもとに解説する。(全11話中第5話)
時間:7分38秒
収録日:2021年7月20日
追加日:2022年6月7日
≪全文≫

●ビッグデータとパターン認識


 前半では、アルゴリズム革命ということを強調するとともにプラットフォーマーという話もしてきました。このアルゴリズム革命を体化したところが、シリコンバレー発のGAFAのような巨大IT企業の強みです。もう一つは、プラットフォーマーというビジネスモデルを自分のものにしたことです。ここで、この二つについて、詳しくお話をしてみたいと思います。

 近年、コンピュータの演算能力が幾何級数的に高まっています。掛け算というより、乗数がどんどん高まっていくわけです。グーグルのコンピュータ・センターの容量は10の21乗だそうですから、とんでもないサイズです。こうしてデータサイズが大きくなったことからビッグデータが登場するわけです。

 しかし、ビッグデータもそれだけではゴミの山で、コンピュータが認識しなければ意味がありません。ビッグデータそのものは全く認識できないですから、まず「パターン認識」ということを行うわけです。パターン認識は、コンピュータが図形や自然言語を認識、理解することです。グーグルの創業者たちが「構造化されていないデータをどう解読するか」と言っているのは、このことです。

 構造化されるというのは、数字化されてデジタルになったものです。人の名前や絵などは、構造化されていないゴミの山です。リンゴやミカン(の絵)、手書き文字などは人間なら一瞬で理解できるものですが、コンピュータは、これまで構造化されたデジタルデータしか理解できませんでした。

 だから、パターン認識はコンピュータには無理だといわれていたのですが、AIの能力が非常に発達したため、パターン認識が実用化したのです。パターン認識はどのように行うかというと、ニューラルネットワークという情報処理の方法に基づいています。


●ニューラルネットワークと機械学習


 ニューラルネットワークのモデルは、人間の神経細胞です。人体の最小の細胞は「ニューロン」という神経細胞です。このニューロンに似た働きをする仕組みをニューラルネットワークといいます。これをコンピュータの中でつくり、大量のデータを用いて、情報処理方法を習熟させるわけです。

 人間の脳の中にある膨大な数のニューロンは互いに信号を送り合い、情報処理を行って、さまざま...

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