シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
イーロン・マスクとジェフ・ベゾスの「宇宙競争」とは
第2話へ進む
世界を制覇したIT巨人「GAFAMNT」の実像に迫る
シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後(1)GAFAMNTをプレビューする〈上〉
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
世界の経済と生活を変えてしまったシリコンバレー。その歴史は40数年と浅いが、語るべきこと、語られていないことも日本では多い。今回はGAFAとマイクロソフト、テスラ、ネットフリックスを加えた7社(GAFAMNT)を中心に、世界を制覇したIT巨人の実像を探りつつ、今後の進路を探っていく。(全7話中第1話)
時間:11分20秒
収録日:2021年7月8日
追加日:2021年11月21日
≪全文≫

●「GAFA」ならぬ「GAFAMNT」の実像に迫る


島田 皆さん、こんにちは、島田晴雄です。今日はご一緒に「シリコンバレー物語」を考えていきたいと思います。

 「世界の覇者」の実像とともに、今後どうなるかということを、今回のシリーズでは特に、世界を制覇したIT巨人を育んだシリコンバレーの物語を、皆さんと一緒に考えたいと思います。

 「なぜ、シリコンバレーなのか」ということです。今、私たちの生活、ビジネス、経済はDX(デジタルトランスフォーメーション)に向かっていますが、それらをリードしているのは全てアメリカの企業です。アメリカに登場したIT巨人のノウハウや技術は中国へ流れていますし、長らく下請けしてきたインドにも非常に多く流れています。さらに、その先鋭的なところをイスラエルが拾っているというような状況です。

 かつて200年前に産業革命がありましたが、現在も一つの世界史的な大革命が起きているといってもいいと思うわけです。その発信源がシリコンバレーなので、ぜひ皆さんと一緒に考えてみたいという次第です。

 今、シリコンバレーに非常に巨大な先鋭的な企業があるわけですが、総称して「GAFA(ガーファ)」といわれています。しかし、私はあえて「GAFAMNT(ガファムント)」といっています。グーグル、アップル、フェイスブック(社名は現在「Meta」)、アマゾンに加えてネットフリックス。また、もともとの発祥はマイクロソフトであり、テスラという会社もめざましい。だいたいこの7つの企業が圧倒的ではないかと思います。

 これらの大部分は、いわゆるプラットフォーマーです。プラットフォーマーというのは、ITで、需要側にも供給側にもサービスを提供する存在だから、相乗効果が生まれて情報が蓄積する。そうなると、人びとが入ってくるということです。それによりネットワーク効果が生まれるので、市場をだんだん制覇している。これが現在の姿です。


●40年で大人になったシリコンバレーの企業たち


 シリコンバレーは驚異的な存在ですが、歴史はたかだか40年で、50年までいきません。40年前(1980年代)のシリコンバレーの姿を見ると、なんと日本企業に席捲されていたのです。シリコンバレーが半導体の生産基地だったためで、半導体といえば圧倒的に日本企業が強かった時代が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(2)MAGAの矛盾と内戦の現状
MAGA内戦勃発…なぜトランプがMAGAの敵になってしまうのか
東秀敏
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(2)プロテスタントと「予定説」
カトリックとプロテスタントの違いは?「救済予定説」とは?
橋爪大三郎
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理