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最高の商品を作る!Airbnbの成功とジョブズの言葉に学ぶ

サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(4)Yコンビネーターが提供するもの

桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
概要・テキスト
起業家を志すアメリカの若者の重要な拠点となったYコンビネーター。では具体的に、Yコンビネーターはどのような場として機能し、若い起業家を支えてきたのだろうか。最も有名なの出身者の一つとして「エアビーアンドビー(Airbnb)」の話を取り上げながら、著名な起業家の経営哲学とも通ずる、Yコンビネーターが注入する起業家精神を解説する。(全8話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
≪全文≫

●起業家が集う場所があることの重要性


―― そのような、Yコンビネーターはどのようなものを提供しているのかというところでございます。

 ここに書いてあるすごく興味深い言葉なのですが、最初に多くの起業家が集結する場所が、起業家精神より大切ということですか。

桑原 そうですね。アメリカの場合、まず1つはシリコンバレーという場所があります。この場所は起業家にとって憧れの場所ですから、マーク・ザッカーバーグもハーバード大学でフェイスブックをやり始めた頃に、やはりシリコンバレーに行っているのです。

 わざわざシリコンバレーに行って、アップルとかグーグルを見ながら、今はまだ無理だけれど、僕もあそこにいつかビルを建てるというようなことを言って、実際シリコンバレーに移るわけです。あるいはまた、シアトルであればマイクロソフトがあります。ジェフ・ベゾスはわざわざシアトルに引っ越すわけです。

 「俺はマイクロソフトに負けない会社を作るのだ」という場所があって、今「クラスタ」という言い方をすると、非常にコロナウイルスのイメージがありますけれど、起業家の集まりは日本でもそうなのです。

 例えば、愛知県でなぜスズキやホンダ、ヤマハがどんどんできたかといえば、豊田佐吉さんがいてトヨタという会社をやっている。その周りにどんどん企業が生まれてくる。そういうクラスタ的な場所が必要なのですけれど、それがシリコンバレーという場所にあって、なおかつ場所だけではなくて、実際に集まって相談をしたり考えたりできる場所です。先ほどおっしゃったような吉田松陰の松下村塾ではないですけれど、その起業家版ということになります。

 (2番目の)資金ということに関していうと、Yコンビネーターが提供する資金は、最初の頃はすごく少ないのです。それこそ1万ドルとか2万ドルと、本当に微々たるお金なのですけれど、ただ、どうも見ていくと、最初はネットを使ったサービスなので、そこまで大量の資金が必要ではないのです。

 動き出したらもちろん必要なのですけれど、スタートの時点では人であったり、アドバイスであったりと、あとちょっとしたお金があると何とかやっていけるということのようです。

 3番目には、とにかく実践的なアドバイスを受けられる...
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