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令和の“黒船”が来ている日本、どう立ち向かうべきか

これからの日本をどうすべきか(4)令和の“黒船”に立ち向かうために

情報・テキスト
令和の今、海外から日本にいわゆる“黒船”がどんどんと押し寄せている。この難局において、日本はどう立ち向かっていけばいいのか。目を向けるべきは日本国内である。日本には潜在力を秘めた分野が数多くある。次世代に向けて、その可能性に投資すべきではないだろうか。(全4話中4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
(2022年5月16日開催島田塾第200回記念特別企画「これからの日本をどうする」より)
時間:14:15
収録日:2022/05/16
追加日:2022/08/31
タグ:
≪全文≫
●今、日本に “黒船”が来ている

小宮山 今、“黒船”が来ているのです。ただ、その“黒船”が物理的に見えない。ルールといったもので日本に来たりしている。だから、そのことを皆で共有するのになかなか時間がかかるのでしょう。世の中は必ず変わります。あと10年たったら、ものすごく変わっているに違いありません。本当は若い人にとってはチャンスなのです。

 だって「ハイブリッド自動車はダメだ。EVだ」というのも、間違いなく“黒船”でしょう。

島田 中国がハイブリッドは作れないから、EVだと言っているのです。

小宮山 ハイブリッドは素晴らしい技術です。そうすると、「EVだ」という主張は“黒船”です。それに対してどのように対応していくかですが、それこそ協力しなければいけない。特に若い人は、危機感と「日本は前に進める」という考え方が必要なのでしょう。ジョージ・アカロフなどのいう「アニマルスピリット」です。

 そういったものを、若い人にどうやったら持ってもらえるのか。おそらく「頑張れば勝てる可能性は大きい」ということなのでしょう。そのときに私は、国内に目を向けるといいと思います。今はもう食える時代、つまり飢えて死ぬという時代ではないのだから、健康や新しいエネルギー、循環する社会といったものがこれから必要になってくると私は確信しています。そして、国内だから勝てるのです。

―― 先生方の言われるように、日本の山林も農地も価値があると。価値はあるけれど、国内に閉じこもっていろいろなことを見ないようにすると、その価値のあるものが「価値がある」ということに気がつかないと。


●日本政府は麻痺状態に陥っているのか

小宮山 (それから)2020年に国民1人あたり10万円を配ったわけでしょう。あれでもって約12兆円です。あのお金はどこへ行ったのでしょうか。もちろんお金に困っている人はすぐ使ってしまったと思うけれど、多くの人は銀行に入ったままなのではないでしょうか。そのように考えたら、できることなどいくらでもあります。

 例えば今、なかなか再生可能エネルギーを導入できない最大の理由は、送電線です。送電線など公共事業で造ればいいのです。

島田 (おっしゃったように、2020年に)国民1人あたり10万円を渡しました。あれは全て財政赤字になっています。どんどん赤字は増えています。この赤字を(首相の)岸田文雄さんもどんどん増やしてしまっているのです。あの人は良い人だから、何かやっていますよというフワッとした感じしか出さない。ですが今後、何が起きるかというと、こういうことが起きるでしょう。

 財政破綻は多くの国で起こっています。10年に1回ほど地球上で起きています。ロシアもかつて(1998年)大変な破綻の危機になって、ミャンマーほどの所得になってしまったことがありました。

 一方、「財政破綻が起きると言っているけれど、全然起きないではないか」という議論をする人がいて、いくら赤字を出してもいいのだと言います。これはMMT(モダン・マネタリー・セオリー)という議論で、ニューヨーク州立大学の教授が言い出した理論です。大丈夫だという証拠はどこにあるのだと聞かれたら、「日本経済を見ろ」と言う。これには日銀も困ってしまっているのです。

 ただ、今国会でMMT信者が何人も出てきて、「(いくら赤字を出しても)構わない」と言っている。岸田さんは「財政規律を保ちます」と言っているけれど、なにしろお人柄がいいので、どんどん流されていくのです。

 こうしてどんどんお金が費やされています。そうしたとき、何が一番怖いか。今、日本の政府は年間110兆円ほどの予算を出しているのですが、このうち約40兆円は社会保障関係費です。それから地方交付税が約15兆円で、借金返済などが20数兆円。そうすると、判断して使えるお金は20兆円もないかもしれません。これが戦略財政という意味合いのものですが、それがだんだんと減っていくのです。ということは、次の世代の人たちの生活を良くするためのお金は、日本にはないということです。もう頭が麻痺状態になっていますね。

 だから、「森林を整備しましょう」というときに何が問題かというと、日本は林道を整備していないところもあるのです。ドイツなどに行くと、ブルドーザーが素早くそこに入っていって、木を切ったらものすごいスピードで戻ってきて、それを高速で処理できる製材所に入れるようになっているのですが、日本はほとんどそうなっていないそうです。だからドイツの林業者には1000万円ほどの所得がある人もいるのですが、日本で林業に関わっても年収200万円に届かないこともある。そのため森林は使わない。このような悪循環がある。このあたり、政府の動きを見ていると頭が止まっているように見えますが…。


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