これからの日本をどうすべきか
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「新しい資本主義」に物申す、分配の前にすべきことがある
これからの日本をどうすべきか(2)「成長と分配と需要」の問題
「新しい資本主義」を唱える日本の政府に対して、「今こそ日本国内に目を向けるべきだ」と主張する小宮山宏氏。世界の流れから遅れていてもなかなか変われない日本の課題を挙げながら、国内で需要をつくり成長していく重要性を説く。(全4話中2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
(2022年5月16日開催島田塾第200回記念特別企画「これからの日本をどうする」より)
時間:9分42秒
収録日:2022年5月16日
追加日:2022年8月17日
≪全文≫

●「変わりたくない」日本の課題


―― 次に小宮山先生にお伺いします。先生の東大総長時代に私が一番心に残っている言葉は、「先頭に立つ勇気」です。東京大学はとても伝統的な組織で、変えづらい組織だったのを、よくぞ4年間であそこまで変えられました。東大EMP(東京大学 エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)も作りました。27ほどの学部に横串を刺して80人ほどの教授を集めてくるということから始まり、「先頭に立つ勇気」を唱えました。先生は共感力を持っておられるので、ついてくる人がとても多かった。

 また、「知の構造化」といって俯瞰的に見るためには主観が大事だと言い、データで見るだけではなく、「だいたいこのあたりだろう」というものをつかむセンスが秀でて優れていたということですね。そのあたりのことを、プラチナ構想ネットワークを含めて「自律分散協調」の考え方などから、先生なりの回答を述べていただけたらと思います。

小宮山 私は学生に3つのことを言いました。「本質を捉える知」「他者を感じる力」、そして「先頭に立つ勇気」です。要するに、よく理解し、理解したなら自分でやれというのが「先頭に立つ勇気」の背景です。それを学生に言ってしまったから、単純に言って自分がやらないのは卑怯でしょう。

 それで今は自分で考えたことを実践していて、どこまでできるかなというところですが、ただ、だんだんと仲間が増えてきていることは確かなので、どこかで日本が動き出すのではないでしょうか。

 動き出すということでいえば、今は動き出していないですよね。(岸田政権が唱える)「新しい資本主義」といっても、うまくいくとは思えません。それは結局、今変わらなくてはいけないわけですが、皆変わりたくないからです。では何が必要かというと、私はもっと国内に目を向けるべきだと思っているのです。

 皆、グローバライゼーションといって海外に行く。海外に雄飛する。これは、島田先生のおっしゃった、日露戦争を勝ち、太平洋戦争には負けてしまったけれども、その後、世界一まで上り詰めた時にやってきたことです。

 だけど、あの時代は世界で工業を持っている国は、今のG7やG8といった国しかなかった。他の国は工業を持っていないから資源を売ったのです。その時に、いわゆる加工貿易――外から資源を輸入して、製品を作って、売るというモデル――が非常にうまくい...

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