●サム・アルトマンを生んだアメリカのIT社会とAI世界
―― 皆様、こんにちは。本日は桑原晃弥先生にサム・アルトマンに学ぶAIとスタートアップというテーマでお話をいただきたいと思っております。桑原先生、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
桑原 よろしくお願いいたします。
―― サム・アルトマンというと、ここ(スライド)にも出ておりますけれど、まさにOpenAI、そして最近話題のChatGPT、いわゆるAIの大規模言語モデルの話になってきますが、今回そのサム・アルトマンを講義に取り上げる意味と申しますか、どういうところに着目すべきなのでしょうか。
桑原 当然、これからのAIが世界を大きく変えていくだろうということは、もう誰もが理解しているところですけれどChatGPTを2022年に出したということによって、普通の人にとっても一気に身近なものになりつつあります。その基礎を築いたのがサム・アルトマンです。
また、サム・アルトマンの周りには、イーロン・マスク、ビル・ゲイツ、サティア・ナデラといった、ITの世界の大御所たち、大物たちがいっぱいひしめいています。
そういう中で、まだ30代のサム・アルトマンという人間がその中心にいて、引っ張ってきているということで、その若さ、構想力、なぜこんなことができたのかということに興味を持たれている方も多いと思います。また、日本でAIが発展していくという上で、やはりサム・アルトマンの考え方や行動の仕方といったことも非常に参考になるかと思いますので、今回、取り上げてみたいと思っております。
―― もう1つ加えると、なぜアメリカで次々にIT、AIと新しい技術がスタートアップでできてくるのかというところ(にも関連すること)で、実はサム・アルトマンの生涯や動きを追っていくと、なぜこういう人がどんどん生まれていくのだろうというような秘密も見えてくるそうですね。
桑原 もともと、アメリカの場合、シリコンバレーということで、それはスティーブ・ジョブズのような人がどんどん出てきたということはもちろん知られていましたけれど、この後ご紹介するYコンビネーターという、起業家を支援したり、養成したり、集めたりする組織がありますし、また大学ではスタンフォード大学もあります。
こういった、人が何かを挑戦するときに、それを支援してくれる環...