シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
トヨタから学んだ重要な戦略要素は「時間」の概念
シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後(6)トヨタ方式に学ぶアメリカ
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
アメリカはトヨタの「カイゼン」や「カンバン」方式に学び、研究を進めてきた。その最初の一歩はトヨタが再生させたGMの工場視察である。彼らはこれをケーススタディとするだけでなく、普遍化し、一般的に通用する理論を導き出す。さらに、それを愚直に推進したのがアマゾンの商法だ。そこには日本経営の進化形があった。(全7話中第6話)
時間:10分34秒
収録日:2021年7月8日
追加日:2021年12月26日
≪全文≫

●GMのフリーモント工場を再生させたトヨタ


 (ボストンコンサルティングが新しい経営理論を構築する)一方、非常に成績のいいトヨタに対しても、アメリカ人は非常に興味がありました。トヨタの生産方式と品質管理が秘訣なのだというふうに、アメリカでは言われ、あちらこちらの工場で、「カイゼン」という取り組みを行いました。アメリカ企業はもともと「ものつくり」にあまり着目していなかったのですが、この辺で少し革命が起きたわけです。

 カリフォルニアにGMのフリーモント工場というところがあり、労働組合が強くてポンコツになりました。私もこのフリーモントを、ほかのたくさんのアメリカ企業とともにずいぶん見学しましたが、在庫をずっと積み上げていて、効率が悪すぎたのです。それを高く売りつけ、儲かったら株式に転換する。それがアメリカの資本主義です。フリーモント工場も、相当ダメな工場だったのです。

 このポンコツ工場が、トヨタがアメリカに進出するときの「人質」のように用いられます。トヨタはしょうがないから使うわけですが、そのときにNUMMI(New United Motor Manufacturing Incorporated)を設立します。

 ボストンコンサルティンググループの三枝氏もここへ勉強に訪れたようですが、実はここにShimada Researchというグループも入りました。トヨタが再生させた工場というので、アメリカはもちろん世界中の学者が門前市をなして見学に来るのです。あまりたくさん来るので、トヨタでは1人3時間を限度に見せており、論文もいろいろ出ていました。

 私はトヨタと非常に親しく、このときは豊田達郎氏が社長でしたが、「島田先生は別格だから、1週間ぐらいずっと来ていいよ」といってもらいました。私は近くのモーテルに泊って、朝から夕方までずっと通い詰め、おそらく何百時間かトヨタを調査しました。


●トヨタの戦略を応用していったアメリカ


 私が何を行ったかというと、トヨタの労働者のインタビューです。1人1時間ぐらいかけて「コンテンツ・アナリシス(内容分析)」してみようと目論んだのです。行くと、労働者にこう言います。「I don’t speak English well. May I take tape? Is it OK?」。そう言うと「Sure」と言って話してくれますが、1時間ぐらい続けて質問していくと、「どちらがアメリカ人か分からない」となる。

 ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
鎌田東二
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
柿埜真吾