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ベンチャーの本質として、3つの重要な要素がある

戦後復興~“奇跡”の真実(16)奇跡の本質とこれから

島田晴雄
公立大学法人首都大学東京理事長
情報・テキスト
日米安保の幻想化などの環境要因に加えて、成功体験による組織や思考の硬直化という主体要因によって、現在の日本経済は大きく低迷している。しかし、島田晴雄氏によれば、確かに環境要因は良いとはいえないものの、戦後の占領下の状況に比べればはるかに良く、主体要因次第で立て直しは可能であると議論する。これまで見てきた4人の起業家の半生から、ベンチャー精神、リーダーシップ、経営力という3つの重要な要因を持つ人材を、これからの日本社会は育てていかなければならない。(2019年7月23日開催島田塾会長講演「戦後復興:“奇跡”の真実」より、第16話)
≪全文≫
※以下、本文は講演資料に基づいた形になっております。動画と合わせてご利用ください。

●奇跡の本質:主体要因

1.ベンチャー精神と力
ー強い興味と着想。
ー執着と粘り強さ。
ー実現する力、諦めぬ力。
2.リーダーシップ
ー未来を読む感性と力。
ー判断力と決断力。
ー人を惹きつける力、説得力、感化力。
3.経営力
ー変化を読み、大胆な戦略と立案、果断に実行。

1. ベンチャー精神と力:
(1)強い興味と着想
ー電気の可能性に魅せられる(幸之助)。
ー自動車に興味(喜一郎)。
ー通信に興味(井深大まさる)。
ー無類の機械好き(本田宗一郎)。

(2)執着、粘り強さ
ー豊田喜一郎は財閥も尻込みする自動車に挑戦。
ー井深大はあくまで通信を追求。

(3)実現する力、諦めぬ力
ー松下幸之助は市場ニーズを捉えて成長。
ー豊田喜一郎は周囲の同意を確保して前進。
ー井深大は戦後の焦土から夢を追求。
ー井深大のトランジスタへの挑戦。
ー本田宗一郎は夜学でものつくりの基本を学ぶ。


2.リーダーシップ
(1)未来を読む感性・力
ー豊田喜一郎は大震災から未来を読む。
ー豊田喜一郎は「両利き」、「ハイブリッド」経営の先駆。
・KはP社の売り出し状況と視察、さらに欧州2ヶ月、前年9月のアメリカとあわせ7ヶ月の大規模視察。KはP社の急速な没落を見て危機感↑。これがKに繊維機械メーカーの将来性への疑念↑、さらに自動車への進出を考えさせる契機に??
・牧野義司「時代刺激人コラム」307号。
ー井深大は録音機に着眼。

(2)判断力、決断力
ー豊田喜一郎の判断。大型乗用車の商機狙う。
ー豊田喜一郎の本格専用工場の決断。
ー井深大のトランジスタへの挑戦。

(3)人を惹きつける力、説得力、感化力
ーM:水道哲学:1932。
ーPHP研究所と松下政経塾の理念。


3.経営力
(1)経営戦略:変化を読み、果断に戦略立案・実行
ー松下幸之助の大不況下の人材経営。
・無解雇、雇用維持は戦後のこと。労働者を配置換えで雇用維持は前代未聞。
ー松下幸之助の事業部制と人材育成。
ー松下幸之助による労組の説得。
ー豊田喜一郎は完全自動化機で苦境を活用。
ー豊田喜一郎のジャスト・イン・タイム。
ー本田宗一郎の世界情勢の認識。
・1951頃、輸出振興と会わせて輸入防止を政府に頼むための民間業者の会合。参加しなかった。輸入防止まで、に反発。
ー苦境が生んだ本田式経営。

●これからに向けて ”戦後復興”から学ぶもの

1.平成の失敗の原因は何か
ー平成は失敗の時代?1989年は世界席巻→2019年は世界に劣後、その原因は?
(1)マクロ・環境要因
バブル崩壊
プラザ合意、バブルの発生と拡大、崩壊↓
・不況長期化<失われた20年?低成長。
・バランスシート不況、投資の減退、景気低迷。
・賃金低下、消費低迷、経済減速、格差(所得、資産)格差の拡大。
ー高齢化:
・高齢化の急進→高齢化の社会費用増大→財政赤字拡大→財政再建困難→財政破綻リスク。
格差拡大→国民の再生産機能の劣化→出生↓→人口減少→経済潜在成長力↓

(2)主体要因
ー“成功”の後遺症。
・指導層の成功体験、保守的な意思決定、硬直的企業組織と人事。
ーチャレンジ精神の衰退。
・安全志向=リスク忌避傾向、ベンチャー精神の衰退、経営革新の遅れ。
・→情報化はじめ技術革新のメガトレンドへの遅れ。

2.これからの挑戦
ー負の環境変化
・日米安保の形骸化<核の傘は幻想、世界政治の不安定化、国際協調の弱体化。
・メガテクノロジー対応の遅れ。
・しかしこの程度の負の環境は、WWII、太平洋戦争、敗戦、占領に比べれば軽微。
→克服は可能。
ー環境変化による新たな可能性。
・メガテクノロジー(例:5G)下の新たなパラダイムの可能性: 移動、金融、健康・医療、政策対応:人材・資源の最適配分。
・自然・地球環境の激変と技術、国際協力。
人口減少下、外国人導入と共存、異質と多様性の革新力(イスラエル、ブラジル)
ー主体要因。
・ベンチャー精神と力:
強い興味と着想、執着と粘り強さ、実現する力、諦めぬ力。
→ベンチャー人材の発見、養成、支援、エコシステム
リーダーシップ
未来を読む感性と力、判断力と決断力、人を惹きつける力、説得力、感化力。
→減点主義→加点主義、失敗を評価するしくみ、グローバルネットワーク。
・経営力:
変化を読み、大胆な戦略と立案、果断に実行。
→グローバル経営戦略競争、オープンイノベーション
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