松下幸之助の危機克服~熱海会談の真実
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
原因はトップの油断と隠蔽…売上至上主義から適正経営へ
松下幸之助の危機克服~熱海会談の真実(4)共存共栄と「3+7の物語」
佐久間曻二(元松下電器産業副社長/WOWOW名誉相談役/ぴあ終身相談役)
熱海会談は、松下幸之助の経営者人生において画竜点睛というべき一幕だった。佐久間氏はその後も松下電器(現パナソニック)の発展に寄与し、「3+7の物語」を用いてWOWOWの再建に貢献する。最大の危機を乗り切った熱海会談の成功から学べることは多いのだが、最終話の今回は松下幸之助が終身貫いた「共存共栄」の思想と「3+7の物語」について語る。(2023年12月1日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「私の中の松下幸之助」より、全4話中第4話)
時間:11分31秒
収録日:2023年12月1日
追加日:2024年7月1日
≪全文≫

●熱海会談の成功と「適正経営」への道


 結論として、(熱海会談は)非常に成功いたしまして、危機を乗り切るわけです。松下幸之助さんは、あたかも大佛次郎の小説『鞍馬天狗』のように活躍したわけです。「財界の鞍馬天狗」というと、日本興業銀行の中山素平さんになりますが、危機があるときに突然現れて、解決すると、すうっと消えていく。幸之助さんの場合も、会長職に退いていたのが、鞍馬天狗のように出てきて、1年間ずっといて、また消えた。その後には非常に大きな緊張感と「やろう」という風土を作り出していった、というサクセス・ストーリーになるわけです。

 そういう中で私が学んだことは何か。一つ目には、なぜそんな危機が生まれたかという点において、「トップの油断」があったことが最大の問題だと思います。もう一つは、現場の責任者が(不都合を)隠したということです。そういう体質が松下の中に生まれていたことが、この危機を招いた最大の原因だと思います。

 どこの会社でもそうですが、表面的な数字は非常によかったわけです。実際にはじわじわと悪化していたのですが、表面の数字がいいものだから、トップはいいと思い込んでいる。危ない情報は上がってこなかった。一方、現場はその危機を隠した。

 これは、最近の会社でも同じようなことが行われています。それを幸之助さんが見抜いて解決していくわけです。

 一番の原因は、やはり「売上至上主義」といいましょうか、とにかく売上を追求していくこと。「売れ、売れ」ということがその原因を作っていくわけです。このへんは「適正経営」ということを考えたときに、どこが適正なのかということを考えながら経営をしていくということが極めて大切ではないかと思います。


●熱海会談を分析して感じた「3+7の物語」


 それから二つ目に、相談役から何を学んだかというと、「3+(プラス)7の物語」。熱海会談を分析して、幸之助さんの手法を解析してみると、3つの心構えと7つの決め手が大事だと思いました。

 3つの心構えとは、「素直な心で物事を見る」「現場主義を貫く」「聞き上手に徹する」ということです。

 それから7つの決め手としては、「経営理念を共有する」「危険信号の迅速な察知と対処」「病状の総合診断」。そして「自己...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「ものがたり」のあるコンプライアンス(1)その本質とは
なぜ企業はコンプライアンスの本質から外れてしまうのか?
國廣正
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾