戦後復興~“奇跡”の真実
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アメリカで無名だったSonyがなぜ世界を席巻したのか
戦後復興~“奇跡”の真実(14)井深大、盛田昭夫とソニー
歴史と社会
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
ソニー(Sony)を作り上げた井深大と盛田昭夫の半生を、3つ目の事例研究として取り上げる。自身の機械への興味から製造業へと向かい、戦時下という特殊状況下で国家への貢献を求められたという点では、2人の半生は松下幸之助や豊田喜一郎とも似ている面がある。戦後にはラジオやテープレコーダーに目をつけて、さまざまな辛酸を舐めながらも着実に会社を大きくしていき、最終的には世界に名高いSonyを誕生させる。(2019年7月23日開催島田塾会長講演「戦後復興:“奇跡”の真実」より、第14話)
時間:12分58秒
収録日:2019年7月23日
追加日:2019年9月24日
≪全文≫
※以下、本文は講演資料に基づいた形になっております。動画と合わせてご利用ください。

●産業界の経験から学ぶこと

3. 井深大、盛田昭夫とソニー
(1)井深大の生い立ちと発明歴
ー古河鉱業の技師と才媛の子。
・井深大、1908(M41)栃木県日光町、古河鉱業の社宅で生まれ父甫(たすく)母、さわ。日本女子大卒の才媛。
○通信に興味(井深大)
・1923(大正12)9.1. 関東大震災。大は無線でこの情報を入手した人がいることを新聞で知り、興奮。
ー通信の興味を追求。
・井深は東京芝浦電気を第一志望として受けたが、結局、ベンチャー企業PCLに就職。
1936.暮、Iはさらに技術を追求したいとして退社申し出。
・Iは野村胡堂の紹介で、前田多門次女勢喜子と見合い、結婚。
・Iは光音の無線部を独立させて測定器専門会社を作りたいと、早稲田の学友小林恵吾
(横河電機)に相談。小林は乗り、「日本測定器」設立。
ー軍の注文で開発加速。
・日本測定器の得意先は陸・海軍。軍のエンジニアはIに注文。
・戦況は急速に不利。
海軍はIの周波数継電器を潜水艦探知機に応用指定。台湾、フィリピン方面の対潜水艦作戦で成果。
・陸軍から、これを陸軍の熱戦追従型爆弾に利用できないか要請=命令。敵艦の熱戦を探し、熱戦めがけて追撃するミサイル型兵器。
・軽井沢の前田の元に近衛文麿がちょくちょく訪問。前田から状況を聞き、日本の降伏を確信。
ー井深は官民合同の科学技術委員会で盛田を知る。
・Iは1943からスタートの軍官民合同の科学技術委員会にも出席。
Iはその分科会で、盛田昭夫に出会う。

(2)盛田昭夫の育ちと井深との出会い
ー一方、盛田は醸造名家の跡取りとして出生。
ーラジオと録音機に興味
・Mは1933.4. 旧制愛知一中入学。この頃、ラジオつくり流行。本を買いあさり、電気装置の製作に没頭。成績↓。
・自分の声が録音できたらとワイヤレコーダーつくる決心。録音ヘッドつくる必要。
・阪大で教えている浅田常三郎、実験物理学。研究室を訪ねた。気取らないざっくばらん。Mに質問。
・Mは浅田教授の下で徹底的に勉強しようと決心。1941年夏。Mは20歳。
ー盛田は知り合いの教授の勧めで大阪帝国大学理学部物理学科に入学。
・ Mは大阪帝国大学理学部物理学科に入学。
浅田教授が海軍から委託された研究PTの助手を務めることが多くなった。研究助手をしているうち、海軍士官と知り合...

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