イスラエルの現況と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜイスラエルはスタートアップで世界最強といわれるのか
イスラエルの現況と日本(5)最先端技術の活用と国家戦略
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
イスラエルは国土の半分以上が砂漠で雨の降らない土地だが、ところどころに林や森が現れ、観光客の目を驚かせる。これは、最先端の水産業によるものだ。国全体がスタートアップに取り組み、得意分野は農業、R&D、サイバーセキュリティなど多岐にわたる。そのバネとなっているのは、これまで述べてきた危機感とともに教育の充実と軍の支援にあるようだ。(全6話中第5話)
時間:12分06秒
収録日:2019年6月11日
追加日:2019年9月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●世界一のスタートアップ率を誇るイスラエルの得意分野


 イスラエルは、これまで話してきたような非常に厳しい環境の中、スタートアップで最強の国家になってきます。スタートアップは新しく企業を起こすことですが、人口比でいうとイスラエルは世界でも抜きん出たトップで、アメリカの数十倍の起業率を誇ります。

 どんな分野に強いのかというと、まずサイバーセキュリティが圧倒的に強い。新しいメディア、特にインターネットに対しては圧倒的な強さです。それから、水に関するテクノロジーはただ事ではありません。イスラエルは水資源の乏しい国ですから、塩水を淡水化したり、排水を利用したりする技術を開発しています。

 イスラエルの乾ききった国土を旅行していると、林や森があちこちにあることに驚きます。どうして雨があまり降らない土地にそういうものがあるのかと思いますが、これは低圧の水滴灌漑システムという、コンピュータを使ったシステムを開発したからです。植物が水をどのぐらい吸収しているのかというと、降ってきた雨量全てを吸収しているわけではありません。千分の1ほどでこと足りることもあるそうです。その場合、10分に1滴ずつぐらい、根っこのところにポトン、ポトンと植物に必要なだけの水分を与えるだけで十分に生育するということです。

 ですから、イスラエルの農業は全て工場で行われます。世界最先端の技術を用いて、ふんだんな野菜を工場で生産しています。農業技術については、雨があまり降らないのを逆手に取り、オリーブやコットンを栽培し、家畜も育てます。大きな輸出産業になっています。

 医療が非常に進んでいる点も特筆すべきでしょうし、金融はブロックチェーンで最先端をいっています。自動車技術も優れていて、とりわけR&D(研究開発)が進んでいます。イスラエルは自動車を生産していませんが、技術だけは超一流なので、世界自動車大手の多くがここにR&Dの拠点を置いています。数百人から数千人の従業員を置いて、活動しているのです。


●グローバル企業が続々とイスラエルにR&Dの拠点を


 地図を見ていただくと、テルアビブから北へ海岸線をたどったところにハイファという街があります。そこから内陸に入ると、キリスト教で有名なナザレです。ハイファの街に行くと、広い通りが中心を貫いています。その通り沿いにグーグル、IBM、マイクロソフトなどの立派...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
ロシア「内政・経済・外交」の真実(1)国民の支持を意識するプーチン政治
ウクライナ侵攻も支持率対策か…プーチン政治の実態に迫る
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎