イスラエルの現況と日本
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
イスラエルの近代史を知れば、危機意識が高い理由が分かる
イスラエルの現況と日本(2)近代イスラエルの歴史
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
なぜイスラエル人は危機意識が高いのかを知るには、近代国家成立以降の歴史を振り返る必要がある。1948年5月、独立宣言翌日に隣国から侵攻を受けたイスラエルは、その後ほぼ10年おきにアラブ勢力との衝突を繰り返している。第一次~第四次に及ぶ中東戦争に勝利したイスラエルは、版図拡大により成長を遂げてきた。(全6話中第2話)
時間:9分15秒
収録日:2019年6月11日
追加日:2019年8月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●独立=第一次中東戦争となったイスラエルの近代史


 イスラエルの危機意識の一端として、前回は訪問時の話を皆さんに申し上げたわけですが、これを理解するには、イスラエルが第二次大戦後どういうことになったのかを知る必要があります。

 そこで、皆さんご一緒にイスラエルの歴史を訪ねましょう。近代イスラエルが1948年に建国されるはるか昔には古代イスラエルというものがあり、歴史は3000年ほど前までさかのぼります。この古代イスラエルが消えたのが西暦73年。その後の1900年間、イスラエルは国がなく、ユダヤ人は世界を流浪していたのです。

 新しい国ができたのは1948年で、第二次大戦が終わった直後です。ホロコーストを免れたユダヤ人がどんどんと、「ユダヤ人国家ができそうだ」という報を耳にしてパレスチナへ参集していました。そして1948年の5月14日、ダヴィド・ベン=グリオンという首相が「イスラエルは独立した」という宣言をテルアビブで読み上げたのです。

 ところが、その翌日には、エジプト、シリア、トランスヨルダン(現ヨルダン)他の国が一斉にイスラエルに侵攻してきました。イスラエルはまだ正式な軍隊を持たなかったものの、民兵が頑張ってなんとか耐え抜きました。耐えるついでに、この地域を自分の国にします。先住民としてパレスチナ人が住んでいた場所に、です。彼らを全部追い出したため、50万人ものパレスチナ難民が発生しました。そして、彼らはテント暮らしを始めることになりました。それが今でも続いています。

 このようなことを起こしたのが、イスラエルという国の原罪ともいえるものです。これが1948年のことで、「第一次中東戦争」と呼ばれます。そして、この後もだいたい10年に1回ぐらい、イスラエルという国は生死を懸けた戦いをせざるを得なくなっていきます。


●スエズ運河国有化に端を発した第二次中東戦争


 1956年には第二次中東戦争がありました。この年、エジプトの有名な(ガマール・アブドゥル=ナーセル)大統領がスエズ運河の国有化宣言をし、反発するイギリスとフランスに要請されて、イスラエルは共同軍事作戦に参加したのです。アラブ諸国はもちろん非常に怒り、イスラエルとの第二次中東戦争となります。

 この時にイスラエルは、イギリスとフランスの後ろ盾がある強さで、ここ(シナイ半島やガザ地区)を制圧してしまいます。ところが、国連...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
老子の神髄(9)ウェルビーイングと東洋思想
ウェルビーイングを東洋思想でどう考えるか?…大事な二つの教え
田口佳史
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(3)3つの一神教、それぞれの物語
信じる神は同じだが…ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の異同点
鶴見太郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀