イスラエルの現況と日本
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
初の国民選挙で選ばれたネタニヤフ首相の功績とは
イスラエルの現況と日本(3)中東和平挫折と初の国民選挙
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
20世紀後半、中東和平への努力はたゆみなく続けられてきた。しかし、それに尽力したエジプトのサダト大統領、イスラエルのラビン首相は自国の暗殺者による凶弾に倒れ、和平への道の険しさを物語った。周辺諸国が見守る中で行われた初の国民選挙では、極右政党のネタニヤフ氏が当選し、長期政権が今も続いている。(全6話中第3話)
時間:8分28秒
収録日:2019年6月11日
追加日:2019年8月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●キャンプ・デービッド合意からインティファーダへ


 中東における紛争の繰り返しに頭を痛めていたエジプトのアンワル=サダト大統領が、1977年に突然エルサレムを訪問しました。彼はイスラエルの国会で歴史的演説を行い、非常に高く評価されます。当時アメリカではジミー・カーターが大統領を務めていましたが、カーター政権はエジプトとイスラエルの代表をキャンプ・デービッドに呼び、12日間の交渉を行います。この結果、中東和平に向けたキャンプ・デービッド合意が成立します。

 キャンプ・デービッド合意により、中東和平については、国連の安全保障理事会が出している二つの決議に基づいて方向性を定めることになりました。サダト大統領の訪問が功を奏して、イスラエルとエジプトの平和条約が合意されることになり、その履行のためにイスラエル軍はシナイ半島などから撤退します。

 これはうまく運びそうだったのですが、1981年10月の戦争記念パレードでサダト大統領が閲兵していた際、イスラムの急進派運動であるジハード団に属するエジプト軍兵士が大統領を射殺します。世界的な大事件でした。

 これにより、エジプトとの仲が妙なことになりますが、平和条約を結んでいたイスラエルは比較的おとなしく撤兵します。しかし、レバノンからイスラエルへの攻撃が始まったため、イスラエルも業を煮やし、パレスチナの難民キャンプで虐殺を行うというとんでもない挙に出ます。

 こうしたことは、一旦始まると泥仕合になり、イスラエル全土に住むパレスチナ人が怒りを表明します。この人たちが、女性も子どもも含めて一斉に蜂起し、手に石を持ってイスラエルを攻撃します。これは「インティファーダ」と呼ばれるもので、軍隊の攻撃ではありません。


●暴力によって否定されたオスロ合意


 イスラエルの知識層の間ではさすがに「わが国のやり方は、まずいのではないか」とささやかれるようになり、国内世論が分かれ始めます。その時にアメリカがまた干渉を行います。ジェイムズ・ベーカー国務長官がシャトル外交を行い、マドリード中東和平会議開催を提案したのです。これで初めてイスラエルのイツハク・シャミル首相が、和平会議のテーブルに着くわけです。1991年の秋でした。

 翌年、イスラエルでは労働党が15年ぶりに政権を奪還し、イツハク・ラビン氏が首相となります。彼はパレスチナ人を代表する政治...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(1)米国第一主義の台頭
1920年のアメリカファースト…ハーディング大統領の勝利
東秀敏
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
現在の宇宙の姿(2)太陽系から星の世界へ
太陽系とその外に広がる星の世界との関係
岡村定矩
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子