戦後復興~“奇跡”の真実
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
なぜ自動織機会社だったトヨタが自動車企業へ転身したのか
戦後復興~“奇跡”の真実(12)豊田喜一郎とトヨタ自動車1
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
世界的にも名高い日本の自動車産業のトップランナーは、言わずと知れたトヨタ自動車である。自動織機の会社として栄えながら、時流を敏感に読み取った豊田喜一郎の機転によって、1930年代から自動車製造企業へと舵を切った。さまざまな国際条件や国内条件を踏まえて、自動車が日本で必要とされるという判断をした、豊田喜一郎の慧眼であった。日本の戦後復興を支えた起業家の2つ目の事例として、豊田喜一郎とトヨタ自動車の戦前の発展を詳しく見ていこう。(2019年7月23日開催島田塾会長講演「戦後復興:“奇跡”の真実」より、第12話)
時間:9分33秒
収録日:2019年7月23日
追加日:2019年9月17日
≪全文≫
※以下、本文は講演資料に基づいた形になっております。動画と合わせてご利用ください。

●産業界の経験から学ぶこと


2. 豊田喜一郎とトヨタ自動車
(1)佐吉の偉業
ー発明家、佐吉の長男として生まれ
・Kは1984.6.11 豊田佐吉、たみの長男として生まれ。佐吉は自動織機の開発で後年、有名。

(2)喜一郎と利三郎
・Kは1914仙台二高(のちの東北大学)に入学。
ー児玉利三郎が妹と婚約(特別な意味)。
・Kが在学中、児玉利三郎が妹の愛子と婚約への知らせ。愛子は大変な美人。
・児玉家(彦根):児玉一造、利三郎、佳三(3人兄弟)。
・利三郎は東京高等商業学校(一橋大学)に学び、伊藤忠合名会社に就職。利三郎はロンドンやパリで活躍したいと思っていたが、愛子を見て一転。
ー佐吉は喜一郎より利三郎の経営能力に期待。
・佐吉は立派な息子がありながらなぜ利三郎を婿養子に?喜一郎の”経営能力”を問題視?
・ 1915.10. 利三郎婿入り。利三郎は社交的で経営能力抜群。佐吉と事業大発展。豊田自働紡績工場を株式会社に。
・1920.3.15. 戦後恐慌→繊維大暴落。利三郎は暴落直前に先物取引手仕舞い。
・1921.3. Kは名古屋に戻り、豊田紡織に入社。Kは1921.4.から出社。
・Kと利三郎夫妻は1921.7.29 東洋汽船の豪華客船、春洋丸でアメリカへ。視察よりも豊田を背負う2人の人間関係づくり?
・その後、欧州を半年。1922.11 訪英。プラット社視察。紡績機械製造徹底見学。1923.4. 箱根丸で帰国。

(3)環境激変と経営対応
○大震災から未来を読む
・大震災(1923.9.1)は日本の自動車産業発達史に重要な契機。東京都はT型フォードトラックシャシー800台緊急輸入→乗合バスに。
ー一方、完全自動化機「無停止K換式豊田自動織機」完成。
ー「株式会社豊田自動織機製作所」設立。今日のトヨタ自動車の母体に。
・1926.11. 生産・販売体制確立のため、「株式会社豊田自動織機製作所」設立。全くの独立資本。これが今日のトヨタ自動車の母体に。
ー完全自動化機で苦境を活用ー未来志向の経営戦略が的中。
・豊田自動織機製作所は1927.6.本格操業→フル稼働に。経済環境:1927.1.綿糸暴落、27.2織布工場休業全国に。27.3~4. 金融恐慌、株式暴落、鈴木商店破綻。
ー完全自動化織機の効用にプラット社が注目、製作・販売権譲渡。
・1929、工場法改正で、少年工、女工の深夜業禁止。
他社がコスト↑となる中で、い...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『江戸名所図会』で歩く東京~吉原(1)「苦界」とは異なる江戸時代の吉原
遊女の実像…「苦界?公界?」江戸時代の吉原遊郭の真実
堀口茉純
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(1)家斉が長期政権を維持できた理由
11代将軍・徳川家斉が50年もの長期政権を築けた理由
山内昌之
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(1)古代の持つ意義と重み
一神教もアルファベットも貨幣も全て古代に生まれた
本村凌二
ローマ史と江戸史で読み解く国家の盛衰(1)父祖の遺風
なぜ「父祖の遺風」がローマと江戸に共通する価値観なのか
本村凌二

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(6)習近平のレガシー
国力がピークアウトする中国…習近平のレガシーとは?
垂秀夫