戦後復興~“奇跡”の真実
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
冷戦の深化によってアメリカが認識した日本の役割
戦後復興~“奇跡”の真実(8)国際情勢の変化と日米関係
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
日本政府がGHQの指導の下で戦後処理に追われている中、国際情勢は混迷を極めていた。米英対ソ連という冷戦の基本構造が成立する中で、アメリカは日本を自らの陣営に引き込むべく、対日政策の方針を徐々に転換していった。今回は国際情勢の変化と対日占領政策の転換について、冷戦への警鐘としてチャーチルの警告「鉄のカーテン」の話から始まり、対日占領政策の見直しとさらなる変化、そして冷戦の深化へと進んでいく。(2019年7月23日開催島田塾会長講演「戦後復興:“奇跡”の真実」より、第8話)
時間:11分05秒
収録日:2019年7月23日
追加日:2019年9月3日
≪全文≫
※以下、本文は講演資料に基づいた形になっております。動画と合わせてご利用ください。

●国際情勢の変化と対日占領政策の転換国際情勢の変化と対日占領政策の転換

1.冷戦への警鐘
(1)チャーチルの警告「鉄のカーテン」
・1946.3. Winston Churchil(第61代英国首相)Harry Truman大統領の招き、ミズーリ州フルトン、Westminster大学で講演。
「バルト海のステッテイン(Stettin)からアドリア海のトリエステ(Trieste)まで 鉄のカーテンが降ろされた。中欧、東欧の歴史ある首都はすべてその向こう側だ」
・チャーチルにとってソ連のヨセフ・スターリンはWWII連合軍の盟友。
そのソ連が鉄のカーテンで守られた排外的な「共産圏」を構築したとの認識は早く、また共産主義の侵略的脅威について鋭敏な危機感を示す。

(2)国際情勢の変化:
・1946~47にかけて、西欧でも戦争による破壊、インフレ、食糧危機、経済停滞。
経済の苦境→ストライキ↑。フランス、イタリーでは反ファジズム闘争を担った共産党が力。アメリカ政府は、経済混乱→政治混乱を憂慮。

(3)トルーマン・ドクトリン
・1946. 3.12. トルーマンは、世界は全体主義と自由主義に分裂と認識。
世界の自由と諸国家の独立を守るには自由主義国家の諸国民を援助することが肝要。このトルーマン・ドクトリンは米ソの対立が決定的になったことを示す。

(4)マーシャル・プラン
・1947.6、マーシャルプラン発表(政策企画室のGeorge Kenanが立案)。トルーマン・ドクトリン推進のための支援

2.占領政策の見直しへ
(1)対日占領政策見直しの機運
・アメリカでは1947初頭から対日占領政策の見直しの機運。
・転機は1946.12中間選挙。共和党と南部民主党勢力がNew Dealerを破り実業界出身者↑。ワシントンではGHQが依然としてND的政策をとっているとして批判↑。保守的空気↑。
ードレーパー陸軍次官(金融界出身)のGHQ批判
・1946.10.3.ド氏は経済復興を対日占領政策の中心に据えた報告書「日本の経済復興政策」(SWNCC384)を提出。GHQが固執する財閥解体や経済力集中排除法を批判。
○戦争直後の米国の対日政策の基本は日本の無力化。
米国の国際戦略:凶暴で危険な日本から世界をどう守るか、だった?
ドレーパー次官は、Mに法案採択延期を要請。
・Mはそれは共産主義者を利するだけと反発。MはドレーパーらがNews Week のGHQ 批判派と組んでMの大...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(1)家斉が長期政権を維持できた理由
11代将軍・徳川家斉が50年もの長期政権を築けた理由
山内昌之

人気の講義ランキングTOP10
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
プロジェクトマネジメントの基本(2)プロジェクトの複雑性とマネジメント
コスパが鍵!? 顧客満足につながる品質マネジメントとは
大塚有希子
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ