戦後復興~“奇跡”の真実
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
戦後復興を可能とした最大の要因は起業家たちの意欲と努力
戦後復興~“奇跡”の真実(10)松下幸之助の哲学
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
終戦直後の惨状を考えると、日本の戦後復興は“奇跡”と呼んでも過言ではないほど目覚ましいものだった。島田晴雄氏は、そうした復興を可能とした最大の要因は、新しい起業家たちの意欲と努力、その主体的な行動にあると論じる。今回は、事例研究として松下電器産業創業者の松下幸之助の半生を見ていく。松下幸之助は、どのような哲学に基づいて、どのような企業づくりを進めていったのだろうか。(全16回中第10回)
時間:9分53秒
収録日:2019年7月23日
追加日:2019年9月10日
≪全文≫
※以下、本文は講演資料に基づいた形になっております。動画と合わせてご利用ください。

●戦後復興の奇跡はいかに起きたか?


1.初期条件
(1)敗戦・占領の破壊と悲惨

(2)占領政策

(3)残存・継承された人材と技術
ー人材:産業界、官界、政界。
「現短期(短期現役)」軍が養成した産業+行政人材:優秀人材3000人の集積
ー技術:世界有数の軍事力を支えた工業基盤
ー品質管理向上:Deming博士、Juran博士の貢献大
・W.Edwards Deming博士:イェール大物理、数学博士。農務省で国勢調査。GHQで1951国勢調査立案に関与。生産管理の権威、ベル研のシューハート博士の影響を受け、日本科学技術連盟から招かれて生産管理の統計的手法を1950.6~8. 日本の経営者、技術者に講演。講演料を日科技連(JUSE)に寄付。デミング賞の基金に。
・Josef M Juran博士: 1924ミネソタ大で電気工学博士。1924 Western Electric社の検査部門技師。ベル研のシューハート博士の影響。穏やかで実直な性格。1954年JUSEの招きで来日。日本製造業の品質管理向上に貢献。
ーその後、日本の製造業は、QCから独自のQCCに発展して、品質を飛躍的に高めたことは周知。

2.環境条件
ー奇跡の復興の重要条件の一つは環境条件の大きな変化(1)国際情勢(2)対日戦略の変換(3)朝鮮戦争ー日本経済成長のモメンタム

3.主体条件
ーいま一つ、そしておそらくもっと重要な条件は、主体条件。
・新たな企業群を率いた起業家が深刻な困難を乗り越えて、事業を復興させ、その後のグローバル企業への輝かしい発展につなげた、その原動力は何だったのか?

(1)新しい起業家(企業家)
ー意欲と努力
ー政商=財閥(薩長の政略と特権で国家産業に)でない。(薩摩→三菱、長州→三井)
ーベンチャー企業
ー戦争の破壊と戦後の悲惨を克服ーGlobal企業に飛躍、発展

(2)事例研究
ー松下幸之助と松下電器産業
ー豊田喜一郎とトヨタ自動車
ー井深大、盛田昭夫とSONY
ー本田祐一郎、藤沢武夫とホンダ

●産業界の経験から学ぶこと


1.松下幸之助と松下電器産業
(1)生まれと成長期
ー不幸な成長期、家族が死亡
・幸之助は1894.11.27 和歌山県和佐村(和歌山市外れ)に生まれ。10人家族。
・自転車屋の丁稚奉公からはじめて、仕事を転々と6年
○電気の可能性に魅せられる(幸之助)
・電気の可能性に魅力。大阪電灯営業所に就職。屋...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
徳川将軍と江戸幕府~徳川家斉(1)家斉が長期政権を維持できた理由
11代将軍・徳川家斉が50年もの長期政権を築けた理由
山内昌之
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
内側から見たアメリカと日本(5)ヒラリーの無念と日米の半導体問題
大統領選が10年早かったら…全盛期のヒラリーはすごすぎた
島田晴雄
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
デモクラシーの基盤とは何か(3)政治と経済を架橋するもの
「哲学・歴史」と「実証研究」の両立で広い視野をつかむ
齋藤純一
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏