シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
警告書『Japan as Number One』と半導体摩擦の実態
シリコンバレー物語~IT巨人の実像と今後(4)前史としての“Japan as No.1”
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
1979年、『Japan as Number One』という本が出版される。日本人は「世界一のお墨付き」をもらえたと喜んだが、実は「日本が世界のトップになったら、アメリカ人はどうするのか」という警告の書だった。日本の高度経済成長がアメリカの牙城である半導体にまで踏み込んだ事実は脅威的だったのである。(全7話中第4話)
時間:9分46秒
収録日:2021年7月8日
追加日:2021年12月12日
≪全文≫

●日本賛美ではなく警告だった『Japan as Number One』


 前回はシリコンバレーの情景をお伝えしましたが、今回からはいよいよ皆さんと一緒に、シリコンバレーがどうしてこうなったかという歴史について考えてみたいです。

 シリコンバレーが世界の半導体の製造基地だったことは(第1話で)お話ししましたが、戦前はめぼしい産業はなく、第二次大戦中に軍需産業が立地するようになっていました。1960~70年代、世界中で半導体産業が非常に発達した頃に、スタンフォード大学を中核としてITベンチャー企業が集積していきます。そうした半導体生産とITの集積を指して「シリコンバレー」と呼ばれるようになったのだそうです。

 同時にその頃、日本の産業が大変な高度成長を遂げます。1960年代の日本は年率平均10パーセントで成長していて、高度成長の真っ最中でした。その後も日本はどんどん高度化していって、80年代にはアメリカを脅かすような工業国になったわけです。

 その頃(1979年)、エズラ・ヴォーゲル氏が『Japan as Number One』という本を書きます。日本の人は、これを「日本が世界一だ」だと思い込み、「Japan is」と言ってしまいますが、実は「as Number One」です。つまり、「もし日本が世界のトップだったら、アメリカ人はどうするのか」という警告の本であるわけです。

 ありとあらゆるところで日本が先に行きそうだが、どうするのかという本であり、まさに当時の状況を表しています。


●驚異の発展を遂げた日本が起こした「半導体摩擦」


 いろいろな経済の連関が見える産業連関表をたどると、日本は驚異の発展を遂げています。例えば消費財でいうと、日本はもともと絹織物から始まり綿織物になるような、産業革命の初期のようなことをずっとやっていました。それがやがて白物家電をつくるようになり、テレビで力を持っていく。これが消費財の流れです。

 しかし、生産材はさらにめざましいです。戦後の日本は焼野原ですが、まず九州の炭鉱を深掘りして得た石炭を原料に、鉄鋼産業を起こしていきます。それで鉄鋼産業が発達すると、造船ができる。造船は大雑把な機械ですが、その精度がもう少し高くなると、工作機械をつくる。工作機械は産業の母ですから、そこから自動車産業が強くなっていく。それが電子化す...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
そこまでやるか
当たり前のことを徹底してやった時、初めて人の心は動く
上甲晃
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
高市政権の進むべき道…可能性と課題(3)外交への懸念と経済復活への提言
「強い経済」へ――実現への壁は古い日本と同調圧力!?
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(4)10年後の物価…5つのシナリオ
5つのシナリオ分析…10年後の日本の物価水準はどうなる?
養田功一郎
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二
AI時代と人間の再定義(5)AI親友論と「WE」という概念の問題
AI親友論って何?「Self-as-WE」と京都学派の思想
中島隆博
未来を知るための宇宙開発の歴史(5)冷戦の終了と変化する宇宙開発の目的
国際宇宙ステーション、スペースシャトルの意義と目的は?
川口淳一郎
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
いま夏目漱石の前期三部作を読む(8)『門』の世界観と日本の近代化
伊藤博文暗殺…日本近代化で本当にいいことがあったのか
與那覇潤