歴史から見た中国と世界の関係
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
米中関係の今後における3つの誤謬と中独関係の行方
歴史から見た中国と世界の関係(7)ドイツの親中路線は変わるか
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
日中戦争の時代、蒋介石に軍事顧問を送るなど、中国と独特の関係にあるドイツだが、やはり対中政策が変わりつつある。中でもマース外相は、「中国の側に立ってものを言うことはできない」といった発言をしている。メルケル首相は従来の親中路線を崩さないが、ドイツの世論も中国から離れる方向に向かっている。ただしロシアがベラルーシに軍事介入すれば、ドイツの反中路線はうやむやになる可能性もある。(全10話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分41秒
収録日:2020年8月21日
追加日:2020年10月19日
≪全文≫

●米中関係の今後については3つの誤謬がある


―― ではヨーロッパの大きな問題として、ドイツと中国の関係はどうでしょう。ドイツは日中戦争の時代から、蒋介石に軍事顧問団を送るなど、独特の中国との結びつきがあります。この間、経済的にも深いつながりをつくってきたと言われています。それが、ここで変わってきたのでしょうか。

中西 はい。今、日本あるいは世界の一部でも、米中関係の今後について3つの誤謬があります。1つ目は、先ほど申し上げた「今は米中関係は非常に悪化しているけど、これはアメリカの大統領選挙があるからで、大統領選挙が終われば元に戻る」というものです。これは間違いで、アメリカの対中政策は「全米」、すなわち「オールアメリカ」という形で歴史的に大きく転換しつつあります。

 2つ目の誤謬は、「アメリカは反中に転換したけれど、ヨーロッパはまだ親中、あるいはどちらつかずの等距離外交に立っている。特にドイツはそうだ」という見方です。そこは日本のヨーロッパ・ウォッチャーがはっきりと切り出さず、いろいろな情報が必ずしも伝わってこないことがあるでしょう。あるいはヨーロッパの対中政策を今後どう占えばいいか、判断できる深みのあるヨーロッパ分析をするウォッチャーが、日本には残念ながら不足している気がします。

 そして3番目の誤謬は、「習近平政権は盤石である」という中国国内の政治基盤に対する見方です。実は習近平体制は、それほど盤石ではなくなっています。特にコロナ禍と米中対立の激化により、あるいは中国経済が今後たどるであろう、いろいろな意味での後退、こういうことを踏まえれば、習近平政権の今後は、よくよく注目する必要があります。

 以上3つの誤謬のうち、質問の答えになるのが2番目の話です。


●ドイツの外相発言で分かる対中政策の変化


中西 ドイツも今や対米貿易より対中貿易のほうが重みを増していますが、今年(2020年)に入ってドイツの世論がかなり大きく変わってきました。アンゲラ・メルケル首相の足元でも与党の政治家たち、あるいはメルケル首相やさらにその後の後継者と目されているハイコ・マース外相の発言を見ると、それが分かります。

 特にマース外相は6月の記者会見で、「もはやドイツは中国の側に立ってものを言うことはできない。われわれにとって自由、民主主義という価値観の問題を無視して、この問題に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(4)生成化育と突破力
生成化育――「自ずと然り」のメッセージと「突破する力」の歓喜
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
ポスト国連と憲法9条・安保(4)自衛隊と憲法改正の問題
「憲法9条に自衛隊を書き込む」という改憲案は「姑息」
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
Human Co-becoming…耳障りな言葉が新しい概念を生み出す
中島隆博