歴史から見た中国と世界の関係
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「ポイント・オブ・ノー・リターン」を通り過ぎた米中関係
歴史から見た中国と世界の関係(4)対中戦略の大転換を図るアメリカ
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
2008年のリーマンショックで、15兆元もの大々的な景気対策を行った中国をアメリカは「世界経済の救世主」と持ち上げ、「世界の繁栄と安定のためのパートナー」とさえ思うようになる。オバマ政権までそうした流れできたが、トランプ政権で中国が深刻な脅威になっていることに気づいた。一方の習近平政権も「国家資本主義」という考え方を強め、外資中国から排除する動きに出ている。(全10話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分29秒
収録日:2020年8月21日
追加日:2020年10月5日
≪全文≫

●親中の潮目を変えた2008年の出来事


中西 (米中関係において潮目を変えた)3つ目は、2008年のリーマンショックです。世界中がぺしゃんこになった、あの金融危機の中で、中国だけが大々的な景気対策を行って15兆元(日本円で54兆円ぐらい)の財政資金を投入し、世界経済のてこ入れに貢献した。この時、アメリカのメディアは、こぞって「中国は世界経済の救世主」と持ち上げました。

「中国は世界の繁栄と安定のための、アメリカのジュニアパートナーである」、あるいは「G2」、つまり世界を米中2国で仕切っていける。信頼できるパートナーになると。こういう思い入れを、またここで強めてしまうのです。

 この間、中国は、実はいろいろなことをやっています。2008年には日本の尖閣諸島に、公船まで侵入させています。それをアメリカは見て見ぬ振りをして、「尖閣諸島問題は日中間で話し合ってください。アメリカは第三者として関与しません」という姿勢をとり続けました。これはオバマ政権でずっと続きます。それがトランプ政権になって、まさに画期的なことが起こったのです。

 2017年から始まるトランプ政権では、中国が全体主義になっていることにようやく気づきます。経済が豊かになることは、中国を軍事強国の道へどんどん促すだけで、全然民主化には向かわない。オバマ氏の言っていたことは、とんでもない間違いだったのではないか。トランプ大統領は主として貿易問題に関心を持ちましたが、トランプ政権を支えた外交専門家の中では、この機会に何も分かっていないだろうトランプ大統領を担ぎ、時間切れになろうとしている対中戦略の大転換を図ろうという議論が起こります。

 そこでホワイトハウスの中にいる安全保障や外交の専門家たちが、2017年12月に「国家安全保障戦略」という正式文書を作り、中国とロシアが世界の秩序やアメリカのリーダーシップに対する非常に深刻な脅威になっていることを明示しました。そして次々と対中強硬策を打ち出したのです。

 これが米中関係の大きな流れで、歴史的に見るとトランプ政権だけが共和党として非常に強硬な政策を取っています。これは民主・共和を問わず、この流れがアメリカの一大国策として定着しつつあるからだと私は思います。非常に注目すべき現象です。


●米中関係は「ポイント・オブ・ノー・リターン」を通り過ぎてしまった


―― 今のお話で日本人...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
西洋文明の起源から見るグローバル化(1)グローバル化
古典を学び、教養ある人間を目指すことがヨーロッパの理想
納富信留
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高