トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機
トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地
佐橋亮(東京大学東洋文化研究所教授)
世界第一、第二の経済力を誇る米中の対立は由々しい問題である。第1次トランプ政権下で始まった対立はバイデン政権に継承されてきたが、トランプ第2次政権では主題はもっぱら経済に集中している。われわれも米中協議の行方を注視しつつ、グローバル課題や経済安全保障上の危機管理を見据える必要がある。さらに「台湾危機」については、リスクが間違いなく上がっており、「経済」に関する協議などとは別次元で注視する必要がある。(全3話中第2話)
時間:10分40秒
収録日:2025年6月23日
追加日:2025年8月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●第1次トランプ政権から始まった本格的な米中対立


 さて、こういったことを踏まえて、続いて米中対立についてお話をしたいと思います。

 米中対立、すなわちアメリカと中国の対立がいつ頃から始まったのかというと、明確に第1次トランプ政権からだと思います。オバマ政権の末期、2014~2015年あたりから、アメリカの中では「あれ、2013年から始まった中国の習近平体制は、どうも様子がおかしいぞ」という気づきがありました。

 「ただ中国の力を伸ばしているだけではなく、その力をどのように使うかということで、明らかに私たちの期待とはそぐわない方向に行っている。国内の市場改革もしないし、世界の国、特にアメリカやG7との協調もおざなりにしている。そして、政治改革。温家宝や胡錦濤の時代には、やる方向が見えていたものが、そういったことにも後ろ向きになっている。おかしい。米中関係はこのままでいいのだろうか」。

 オバマ政権の末期にそれが出てきたのですが、一気に、いわば激流のように中国戦略や中国への見方を変えたのが、トランプ第1次政権でした。そして、私も中公新書(『米中対立-アメリカの戦略転換と分断される世界』2021年発刊)を書きましたが、皆さんご存じの通り、米中対立というものが始まります。

 実はその米中対立は、軍事の衝突や軍事力で競り合うということだけではありませんでした。政治的な対立、要するにアメリカの政治的影響力、同盟国やパートナー国を増やすということもありましたし、中国の政治体制への批判もありました。

 さらには、そこに経済が大きく巻き込まれました。皆さんも「経済安全保障」という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、経済活動にどうやって安全保障の視点を入れるのか。このことが、トランプ第1次政権では非常に強くなりましたし、そのための法律も米国議会で超党派により成立し、実行に移されました。輸出管理、投資の規制、他には中国に由来のある科学者へのビザの発給を「真剣」に行なったり、政府調達の相手を替えたり、いろいろなことがなされました。日本も同じで、こういった経済安全保障の視点が重視された。これが米中対立の大きな特徴です。


●バイデン政権に引き継がれた米中対立の深刻さ


 実はトランプ政権が最初の4年間...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
【入門】日本仏教の名僧・名著~明恵編(1)批判精神と『夢記』
法然の専修念仏を批判…明恵の「あるべきようは」とは?
賴住光子
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(5)AIを最も活用できるのは誰か
実はベテラン層こそAIを存分に活用できる…AI導入の生産性分析
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(16)宮本弘曉先生:AI大格差
【10min解説】宮本弘曉先生「AI大格差」仕事と給料の未来
テンミニッツ・アカデミー編集部
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(1)「ビジョンドリブン」と創造性
妄想から始まる「ビジョンドリブン」で創造的な社会をつくる
佐宗邦威
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
「最高の睡眠」へ~知っておくべき睡眠常識(6)子どものための睡眠
「眠育」のすすめ~睡眠不足は子どもの脳の発達にも悪影響
西野精治
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(4)「国のかたち」を守った男たち
全責任をかぶることを恐れず本義を貫く…樋口季一郎の決断と行動
門田隆将
ウェルビーイングを高めるDE&I(3)人的資本経営の核となるDE&I:前編
DE&Iとは何か?よくある誤解からポイントを理解する
青島未佳
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明