歴史から見た中国と世界の関係
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
プーチンが模索しているロシア外交の「息継ぎ戦略」とは
歴史から見た中国と世界の関係(8)中国に接近するロシアの意図
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
反中路線を取る国々が増える中、最も態度がはっきりしないのがロシアである。基本的に中ロ同盟は結束を強め、香港国家安全維持法への非難決議に対してもロシアは反対の立場を取った。とはいえ中国と何千キロも国境を接するロシアは、中国の力が強大になりすぎるのも避けたい。今は対中接近する時期だが、長期的には外交方針を大転換する。その時期を見定めており、もっか考えているのはアメリカの力を削ぐことと思われる。(全10話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分37秒
収録日:2020年8月21日
追加日:2020年10月19日
≪全文≫

●香港国家安全維持法の非難決議に反対したロシア


― 今ベラルーシとロシアの話が出ましたが、プーチン政権は中ロの軍事同盟的な発言もしています。中国とロシアの関係はどうでしょう。

中西 ここは一番興味深いところで、一番はっきりしません。アメリカはもちろん旧英連邦諸国も、おそらくインドネシアをはじめとするASEAN諸国も、あるいはインド、豪州、さらにはスイス、イスラエルなども含めて、これまで中国との経済関係を重視して、きちんとした態度を示せなかった国々も、スタンスをかなりはっきりさせ始めました。あるいは、「そろそろ決めなくちゃいけない」という声が聞こえ始めてきました。日本もその中に入るかもしれません。

 こうした国が増えている中で、ロシアだけが一番微妙な立場にあります。確かに去年(2019年)までは中ロ同盟の結束を強めていく流れにありました。また香港国家安全維持法でも、ロシアは中国寄りの立場を示しています。

 イギリスが6月30日に国連で動議した国家安全維持法に対する非難決議に対し、加盟国の中で賛成した国は、イギリスをはじめ27カ国です。日本ももちろん、入っています。ところが反対した国は53カ国で、こちらのほうが数が多いのです。大半は中国が大枚の援助をしているアフリカの国で、あるいは中東や中南米の必ずしも民主主義ではない体制の国です。

 ロシアも明確に、中国の立場を支持する方向に動きました。今のロシアの方針は、けっして民主主義とはいえない、非常に全体主義の流れが顕著です。だから、中国が中長期的に強大化することは、ロシアにとっては困ったことです。何千キロもの国境を接する隣国・中国が、アメリカ以上の強大国になるのはロシアにとって悪夢です。したがって、そうなる可能性はどこかで断ち切りたい。

 しかし、ロシアは今、大変苦しい状況にあります。ウクライナに対する侵攻への制裁として、西側諸国から経済制裁を受け、経済的に非常に困った立場にいます。また、全体主義的傾向を成しているプーチン政権は、西側の国々の風当たりが強くなっています。あるいはエネルギー問題でも中国とは持ちつ持たれつの関係で、中国に依存していく度合が非常に高くなっています。

 これらを見定めたロシアは、「今は対中接近をする時期」と考えていますが、中期的には見切りをつけ、中国の力を削ぐ方向に向かう勢力と結び、外交の転換を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
国家の中で個人が楽しく生きるために、なぜ「中間団体」が重要か
片山杜秀
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(3)リベラルアーツの伝統と教育
身につけるべきリベラルアーツとは?…欧米の伝統と変遷から探る
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
編集部ラジオ2026(22)「中国古代史」特集紹介!
【10min解説】「中国古代史という知の宝庫」特集の各話紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄