習近平―その政治の「核心」とは何か?
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
習近平思想の内容とは…本当に「思想」と呼べるものなのか
習近平―その政治の「核心」とは何か?(4)独裁の危険性と習近平思想
小原雅博(東京大学名誉教授)
習近平の時代になって、反腐敗闘争の結果、不正が減ったことは国民から評価されている。一方で習近平への権力と権益の集中は、独裁につながり、文化大革命のようなことが再び起きかねないと危ぶまれている。これは一党独裁体制ゆえの問題でもあるが、今回注目したのは憲法にも入っている「習近平思想」についてだ。「新時代の中国の特色ある社会主義」ということだが、いったいどういうことなのか。(全6話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分58秒
収録日:2021年7月7日
追加日:2021年11月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●習近平は裸の王様なのか――権力と権益の集中で高まる独裁の危険性


―― 先ほどのお話ではないですが、最近よく言われるのが、鄧小平時代以降の集団指導のあり方であれば良かったのに、あまりにも習近平が強権的、独裁的すぎないかという懸念の声も非常に高まっています。その背景にはやはり反腐敗闘争があると考えればいいのでしょうか。

小原 これは胡錦濤政権をどう評価するかに関係しています。胡錦濤政権がバトンタッチをするときに、胡錦濤は何もしなかった人だという評価が多くありました。江沢民のときには腐敗が蔓延しましたが、そうした問題を断固として処理する厳しい態度を取らなかったので、ずるずる状況が悪くなっていったというのがあります。

 中国の長い歴史の中でもそうですが、やはり国をまとめて引っ張っていくためには強い求心力のある「中心」が要ります。そのためには集団指導ではダメです。なぜなら、責任の所在がどこにあるのか分からないからです。誰か一人に権力を集中させて、その人が責任をもって問題を処理していくという強いリーダーシップが必要なのではないかということが、なんとなくモヤモヤ感のある中で習近平自身、あるいは国民にありました。もちろん、彼自身の野心もあったとは思いますが、それが要するに「核心」という形になりました。そういうことが時代背景としてあったのだと思います。

 しかし、実はそれは鄧小平が非常に危うんだことです。あるいは温家宝も、辞める前の全人代の記者会見でも吐露していましたが、まさに個人崇拝や権力集中という形で独裁となっていくと、また文革のようなことが起きかねないという心配もまた別途あります。今の習近平への権力と権益の集中は、ある意味でそうした怖さもあります。

 だから、ある人は彼を「裸の王様」だと言います。どこまで本当に彼にものを言えるのかというと、そこは忖度の世界になって、なかなか意見が言えなくなってくると、だんだん現実が見えなくなり、判断が鈍ってきます。そうなると非常に危ないですね。


●反腐敗闘争の結果、不正が減ったことは評価されている


―― 中国の場合は、外から見ていると、本当に反腐敗闘争なのかどうかが分かりません。中国共産党の歴史からすると、本当は奪権闘争ではないのかという疑いをどうしても持ってしまいます。やはりそこは両面で、その面も含めて見ておかないといけ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(5)ロシア正教が果たした役割
「ロシア正教こそが世界の中心」という使命感…ロシア正教の大きな役割と「儀礼改革派」「古儀式派」
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
生成AI「Round 2」への向き合い方(2)ハードで動くCopilot
Microsoft Copilotの革新性…想像がつかない世界に
渡辺宣彦
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎