「激動と激変の世界」の読み方2022
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
毛沢東そっくり!?習近平の終身独裁制、その現実とリスク
「激動と激変の世界」の読み方2022(3)米中対立の激化と習近平の独裁政治
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
TPPから脱退したアメリカに対し、今度は中国がTPPへの加入申請をするなど、米中対立は激しさを増している。中国によるウイグルや香港などでの人権侵害を厳しく批判するバイデン政権は、中国に次々と制裁を加えているものの、中国共産党100周年を迎えた習近平の独裁体制はその勢いが止まりそうにない。(全4話中第3話)
(2022年1月18日開催島田塾年頭講演「激動と激変の時代:日本の選択」より)
時間:13分28秒
収録日:2022年1月18日
追加日:2022年3月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカの不在をチャンスに、中国がTPPへの加入を申請


 東アジア地域包括協定(通称RCEP)が、中国が参加する唯一の大型国際FTAです。これは15カ国が参加していて、世界のGDP比30パーセント、世界の貿易比も30パーセントで、域内人口は約23億人です。

 ところが、これは中国の影響力が非常に大きいのですが、中国はTPPに入りたいと言い出しました。RCEPは基準が緩いのですが、TPPはものすごくうるさくて、「世界で最高水準のFTA」といわれている自由貿易圏です。そのため、例えば政府が企業に補助を出してはいけないことや、情報の透明化、そして知的財産権の保護など、ものすごくうるさいのです。そして、中国はこの点はほとんどダメです。

 では、なぜそういうことを言い出すか。実はTPPはアメリカが言い出した仕組みです。アメリカはトランプ政権時に抜けてしまったので、バイデン政権が入ってくればいいのですが、入れません。なぜ入れないかというと、TPPにアメリカが入ると、工業製品の関税がなくなって、日本の自動車が関税ゼロでアメリカに輸出できてしまうからです。日本の(自動車の競争力の)ほうが圧倒的に強いので、アメリカの労働者にとって、これはもう絶対にダメなのです。今のバイデン政権の政治状況では、そんなことをひと言でも言おうものなら、政権が飛んでしまいそうなので入れません。

 中国はそれをきちんと知っているので、「俺たちが入るよ」と言っているのです。中国が入ったら、メダカの中にナマズが入ってきた感じになるので、たぶんこの地域の東アジア、東半球の貿易圏のルールは全部中国が決めることになるでしょう。

 中国はそういうことをやっているのです。そのため、当然アメリカは非常に警戒していろいろなことをやるので、対立が激化しています。


●中国の独裁政治が引き起こす人権問題とアメリカの制裁


 先ほども言いましたが、トランプ氏は非常にはっきりと、25パーセントも関税を上げて、とんでもない高関税率で中国の輸出品が来ないようにしようとしました。そうすれば、アメリカの雇用が増えるだろうと考えましたが、全然ダメで、実は中国の輸出はもっと増えています。そうしたら、ハイテク覇権の闘争になりました。先ほど言ったように、中国ではファーウェイなどものすごく優れた...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(6)賴住光子先生ラフカディオ・ハーン論
ラフカディオ・ハーン『怪談』と『神国日本』の深い秘密
テンミニッツ・アカデミー編集部
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
印象派の解体と最後の印象派展(5)ポスト印象派の台頭
ゴーガン、ルドン、スーラ、ゴッホ…ポスト印象派の時代へ
安井裕雄
新撰組と幕末日本の「真実」(3)「日野と多摩」の風土と天然理心流
田舎のヤンキー像は大違い…日野の豊かさと文武両道の気風
堀口茉純
変化する日本株式市場とPEファンド(1)近年急増するPE投資
プライベート・エクイティ・ファンドとは何か…その手法は?
百瀬裕規
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
大谷翔平の育て方・育ち方(7)不可能を可能にする力
「てっぺん」を目指したい――不可能を可能にする秘密とは
桑原晃弥
こどもと学ぶ戦争と平和(6)平和な社会を守るために
チャーチルの名著『第二次世界大戦』に学ぶ真の平和への道
小原雅博
インフレの行方…歴史から将来を予測する(2)明治以降の物価推移とインフレ率
戦後日本のハイパーインフレの真実…その時、何が起きたのか
養田功一郎
印象派の誕生~8人の主要な芸術家
マネ、モネ、ルノワール…芸術家8人の関係と印象派の誕生
安井裕雄