李登輝に学ぶリーダーの神髄
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中国の圧力をはねのけて実現した李登輝訪日の舞台裏
李登輝に学ぶリーダーの神髄(5)総統退任後の訪日実現
江口克彦(株式会社江口オフィス代表取締役社長 /元参議院議員/PHP総合研究所元社長)
李登輝は総統退任後、9回日本に来ているが、このうち7回は江口がアレンジしている。1回目は中華人民共和国に過度に配慮した日本が入国をなかなか認めなかった。当時から中国共産党は日本で力を持っており、李登輝の影響力を恐れ、訪日を阻止すべく圧力をかけていたのである。だが、病気を口実に「人道上」という名目でビザが下りた。それが「蟻の一穴」となった。もっとも李登輝の訪日には「記者会見禁止」など多くの制約がつけられていた。(全10話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:9分49秒
収録日:2020年8月24日
追加日:2020年11月25日
≪全文≫

●「人道上」の名目で認めてはどうか


―― 李登輝さんは日本にたくさんファンがいましたが、来日されるときは全部、江口さんのアレンジですよね。

江口 9回の来日で7回は直接・間接にやっています。第1回目は、台湾の別荘に呼ばれて相談を受けました。李登輝さんが「江口さん、ちょっと来てくれ」と言うので行くと、地下の書庫で「日本に行きたいんだ」と。ところが日本がなかなかビザをおろしてくれず、入国を認めてくれない。「なんとかできないか。政府に働きかけてくれないか」と言われたのです。

 当時は森喜朗政権で、幹事長が中川秀直さんでした。椎名素夫さんを訪ねたり、森喜朗総理を訪ねたりしましたが、みんな李登輝さんの訪日は難しいと。「江口さんもご承知のように、中国との問題がいろいろあるでしょう」と。

―― 中国との関係で。

江口 外務省のチャイナスクールです。2001年の話で、李登輝さんが総統を辞めて、すぐですから。「なんとかしてください」と言ったら、「ならんもんはならんよ」と森総理には言われました。

 それでも執拗にお願いしようと思っていたら、2、3日後に、ある会合があったんです。森総理も参加していて、森総理のところへ行って「招くことができないなら、少なくとも訪日を認められませんか」と言いました。「あんたもしつこいねえ」と言われましたが、私としては「総統の座を降りたのだから、影響力があるといっても認めていいではないか」という思いがありました。

 それで「『人道上』ということで訪日を認めてはどうですか」と提案したんです。私は李登輝さんの心臓が悪いことを知っていて、体内にステントが9本入っていたんです。それを私によく話していたので、「治療という名目で」と言ったら、「あっ、人道上という手もあるねえ」という話になったんです。「じゃあ、人道上ということでちょっとやってみよう」となり、あの訪日が決まったのです。

―― それで動いたのですね。

江口 「倉敷のお医者さんにかかる」という名目で。関空から大阪に入り、大阪の帝国ホテルに泊まり、1週間ぐらいいました。それからも倉敷の先生のところへ通うということで、2、3回行きました。その間、大阪の街を歩いたりして。

 東京に来なかったのは、条件があったからです。「東京に入ってはならない」「記者会見してはならない」「講演してはならない」とか。


●訪日...


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