李登輝に学ぶリーダーの神髄
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「日本の武士道」で「アメリカ民主主義」の裏打ちをする
李登輝に学ぶリーダーの神髄(4)「脱古改新」という考え方
江口克彦(株式会社江口オフィス代表取締役社長 /元参議院議員/PHP総合研究所元社長)
2004年頃から李登輝は「脱古改新」という言葉を用いた。これは、「脱中国」「一国二制度の否定」をも意味する。彼の死後、遺族は総統府や蔡英文総統に「『脱古改新』を誠実に守ってくれ」と伝えた。李登輝がいなければ、台湾はあれほど見事に民主化しなかったであろう。そんな彼を第三代総統の蒋経国は副総統に任命した。その理由は不明だが、「自分と同じ考えを持ち、同じ方向に台湾を持っていってほしいと思っていたのではないか」と李登輝は江口に語っていたという。その蒋経国が死去し、突然、総統の地位が転がり込んできたとき、李登輝は日本精神と武士道精神を精神的支柱としたのであった(全10話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:12分11秒
収録日:2020年8月24日
追加日:2020年11月18日
≪全文≫

●中華思想にとらわれない


江口 いずれにしても中国との関係においては、「自主自立」という李登輝さんの志向、ベクトルからすれば当然の帰結になるわけです。そういう自主自立という考え方が、結局は「台湾は台湾」「Taiwanese is Taiwanese」ということになっていくのです。

―― まさに「自主自立」という考え方がベースになって、今の台湾を作り上げてきたわけですね。

江口 そうです。神藏さんが李登輝さんのところへ行ったのは何年でしたか。

―― おそらく2004年から5年頃だと思います。

江口 その前後から「脱古改新」という言葉を言い出すのです。中国の古い言葉に「託古改制」があり、従来の枠の中で制度を改めることを指します。これではダメで、「脱古改新」という言葉を自分で創り出すのです。古いものから脱して、以前の枠にとらわれずに新しく改めていくと。

 中国の中華思想にとらわれない。中華思想という枠の中で台湾を考えていくのではなく、中国と台湾は別だ、脱中国だと考えていく。「脱古」とは中国から脱することで、台湾固有の新しさを求めていく。改めていく。その意味で「脱古改新」を李登輝さんが言い出すのです。


●国民党内の激しい抵抗にも動じなかった


江口 中国の考え方にとらわれず、台湾の新しい考え方に改めるというのは、結局は一国二制度の否定です。同時に李登輝さんが言っていましたが、中国との関係は「特殊な国と国との関係」なのです。だから「国」なのです、李登輝さんにとっては。

―― なるほど。特殊な国と国との関係なんですね。

江口 だから今回、李登輝さんが亡くなり、どのようなことを遺していくかというとき、ご家族は総統府や蔡英文総統に、「脱古改新」と「誠実自然」の二つを守ってくれと言いました。これは明らかに「一国二制度の否定を続けてください」という意味です。それから「台湾は台湾です」と。台湾の独立はすでに果たしているのだから、それを維持するようにと。

 そしてもう一つの「誠実自然」は、「そういう考え方を誠実に続けていってください」ということです。ご家族も李登輝さんの心のうち、想いを理解していますから、台湾を国として守り続けてくださいと要望したらしいです。

 李登輝総統は個人の目線でなく、神の目線で政治をやった人だと思います。それを象徴するのが「私は私でない私(我是不是我的我)」なのです...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
生成AI「Round 2」への向き合い方(8)「責任あるAI」への課題と覚悟
責任あるAI――マイクロソフトが掲げるコンセプトと覚悟
渡辺宣彦
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介