李登輝に学ぶリーダーの神髄
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
極秘訪問の安倍総理に李登輝が託した思いとは
李登輝に学ぶリーダーの神髄(8)安倍総理との面談が実現
江口克彦(株式会社江口オフィス代表取締役社長 /元参議院議員/PHP総合研究所元社長)
「これで日本は日本らしくなる」と安倍政権の誕生を喜んでいた李登輝。江口氏に安倍総理への親書と色紙を託したことがある。安倍総理も敬意を抱いていたのだろう。国会議員会館での講演の翌日、李登輝のもとへの訪問が実現する。李登輝が安倍総理に託したかった思いは、やはり「台湾を国として捉えてくれ」というものであったのではないか。安倍総理も、その想いに肝胆相照らすところがあったはずである。ただし、北朝鮮による拉致問題の解決のために中国の協力が必須だったことが、安倍総理にとっては難しいところだっただろう。(全10話中第8話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:13分53秒
収録日:2020年8月24日
追加日:2020年12月16日
≪全文≫

●安倍総理との面談実現に向けて


―― それにしても江口さんが下村(博文)さんに話をせず、下村さんから菅(義偉)さん、安倍(晋三)さんに話が行かなければ、国会議員会館での演説は実現しなかったのですね。

江口 李登輝さんは安倍さんが総理になったときに、「これで日本は日本らしくなる」と、大変喜ばれたんです。私は「来てくれ」と言われるので何事かと思って行くと、「安倍総理に親書と色紙を渡してくれ」と頼まれ、預かって渡したことがあります。だから、李登輝さんは総理が安倍さんに替わって良かったと思ったのでしょう。安倍総理も李登輝さんに対して、敬意を抱いていたと思います。

 だから国会議員会館で話してもらった後、菅官房長官に電話をしたんです。せっかく李登輝さんが日本に来て、すぐ目と鼻の先のキャピトルホテル東急に泊まっている。それまで現役の総理大臣が、李登輝さんに会ったことは一度もないんです。森総理でさえ、人道上は認めたけれど会っていない。

―― もったいないですね。

江口 だから菅官房長官に、「せっかくだから安倍総理に李登輝さんのところへ来て、挨拶していただくことはできませんか」と言ったのです。「李登輝さんが総理官邸に行くと大騒ぎになるから、安倍総理に部屋を訪ねてもらい、5分でもいいからひと言、挨拶でもしていただきたい。そうすれば李登輝さんが日本を思う気持ちも報われると思います」と言うと、菅さんが「それもそうですね」と。「安倍総理に直接聞いて、改めて江口先生に連絡します」となったのです。

 翌日6時前に私の携帯が鳴り、見たら菅官房長官からでした。驚いて出ると、「総理が今日、政務の間を縫って李登輝先生のところに行かれることになりました。ただこの件は極秘なので、江口先生もそのことを含んでおいてください」と。「分かりました。私のほうから李登輝さんに連絡することもしません。一切、私は関与しません。官房長官と総理の2人で進めてください」と言って電話を切りました。

 総理は午前中に行かれたようです。私が午後に行くと、李登輝さんが待っていてくれました。お互いにその話はしないのですが、以心伝心ですから李登輝さんがニコッと笑って、私もニコッと笑って2人で頷いて、そして窓から2人で外を見て、「日本はいいところだなあ」という話になりました。

「李登輝さんから見ると、お目怠い(めだるい)と...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ